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English Blog Martin Luther King, Jr. Day and Occidental College January 16, 2023

I am touched to receive an email from our current president of Occidental College, President Harry Elam, today. He addressed to us about the college’s connection to Dr. King. Below is an excerpt from his campus email. On April 12, 1967, Reverend Doctor Martin Luther King, Jr. spoke at Occidental, invited by President Richard Gilman, […]

Book Reviews (マイブック評) Schumann: The Faces and the Masks by Judith Chernaik January 6, 2023

I just finished this book. The biographical elements of the book are very interesting and fascinating; however I did not enjoy the very detailed (and personal) discussion of his compositions. They are too descriptive and interrupt the flow of the stories. I could not stop reading the end of this book where Schumann’s life in […]

Book Reviews (マイブック評) きらきらひかる 江國香織 新潮社文庫 December 7, 2022

新婚カップルの話でーす!と言って、この本を想像する人は皆無だろう。笑子:新婦、睦月:新郎。2人の結婚を説明するのは難しいので、ちょちょっと省きます。「型にはまる」事の大好きな日本社会にあって、こういう形の夫婦が、是非現実にも存在して欲しい。でも2人だけで生きている訳ではないので、「ユニーク」さは、時には残酷に人を傷つける。故に、2人は「普通さ」も入れようとするが、それは2人をとことん打ちのめす。「自分らしくあること」「幸せになること」「人を愛すること」永遠のテーマだけど、この本はほんの少しだけ、この永遠のテーマにヒントをくれるような気がする。江國香織、好きな作家です。

Book Reviews (マイブック評) 奇跡 林真理子 講談社 December 7, 2022

以前から読んでみたかった本を、日本でゲット!確かにメチャクチャ凄いリアルストーリーだけど、何か絵空事っぽいのは、何でだろう・・役者も設定も申し分ない。絵に描いたような美男美女の大物カップル。双方ともに、金銭的に潤沢。不倫の末結婚に漕ぎ着けたら、男性が末期癌になり、呆気なく亡くなってしまうという大悲劇もある。なのに、何だかズシンと心に入って来ない。林真理子さんのドキュメンタリー力は、言わずもがなだ。やっぱり、私自身が普通過ぎて、このカップルの金銭感覚、上級趣味についていけないのかもしれない。そして、不倫とは言え、一切ドロドロ感がなくて、全体がカッコ良すぎるのかもしれない。本としては、もちろんとても面白く仕上がっているので、「読む」行為自体は、最高ですよ。

English Blog 2022 Have a Wonderful Thanksgiving! November 24, 2022

Sending good wishes to you this Thanksgiving! Good food that fills your table, good health as you work hard, and good times with family and friends. May you have all the best delights in life. Happy Thanksgiving!    

Book Reviews (マイブック評) 李王家の縁談 林真理子 文藝春秋社 November 15, 2022

皇族に生まれ育った、つまり庶民の暮らしとは別世界で繰り広げられた、縁結びのお話し。繊細な心と、それと両極端な図太く強引な心を持った梨本宮伊都子妃。彼女はあくまでも、親切心と愛情から、人と人とを結びつけていく、いわば第二次世界大戦前のキューピッドだった。婚姻が、本人の意思とは関係なく、マッチメーカーの腕次第にかかっていた皇族・華族の、喜びと悲しみを描き切る小説である。様々な思惑により、伊都子妃は、自分の娘を朝鮮の王族に嫁がせる。壮大なスペクタクル、映画にでもなりそうなストーリーだ。

Book Reviews (マイブック評) 続百鬼園随筆  内田百閒  October 28, 2022

伊丹十三さんの推薦で、読みました。昭和初期に書かれたとは、想像も出来ないくらい、ポップで、洒落っけたっぷり。現在の多々あるエッセイ集の、根底をなす、多分沢山の人がお手本にして来たであろう、一冊だ。現在とは全く違った暮らしであったのに、今の私の心にピタッとくる。ツボの捉え方が上手い。脱帽です。

Book Reviews (マイブック評) 女たちよ! 伊丹十三 新潮文庫 October 12, 2022

私の成長過程で何故かこの本に巡り会う事がなく、昭和43年刊行の本を漸く手にしたという訳です。伊丹十三さんというのは、私が考えていたよりずーっと、巨大だったことを心底理解しました。昭和の知識人で文化人、独善的で洒落者、カッコ良くハイカラ。国内旅行だってままならなかった頃、颯爽とヨーロッパを語る。それが又、堂に入ってるんだなあ(と伊丹調になる!)。昭和の40年代前半に、女性の服装にもキチンと意見が言えるというのは、すごいの一言。又、伊丹さんの食に関する記述は、興味、愛、食いしん坊と混ざり合い、大変に面白い。読者に、「ああー、この食べ物を是非口に入れてみたい」と思わせるのです。ネット社会でグチャグチャになっている今、アナログ感いっぱいで、とても新鮮な書物ですよ。是非、読んでみてください。一家に一冊、必須です。 ここからは私の昭和論。私は、父方の祖母に連れられ、子供の頃渋谷から銀座線に乗り、浅草に買い物にいく事がしばしばあったんですね。祖母は、木目込み人形の先生をしていて、その材料を調達に、浅草のお店に定期的に足を運んでいた訳です。あの、駅に着く前に、地下鉄の電灯が消える頃のお話です。そして、その帰りに、渋谷の東横デパートの最上階の食堂でランチをご馳走になる、というのが、2人のパターンでした。私はもうその時間が待ちきれなかった!いつも、スパゲッテイ・ミートソースを所望したものです。口の周りをベタベタにしながら、幸福の絶頂に浸ったのを、この本を読んでいて思い出しました。そして、渋谷からほど遠くない所にある祖父母の家に、夏休みに長期滞在して、縁側に座ったり、近所の縁日に行ったりした事も、同時に思い出しました。お金に変える事の出来ない、大切な思い出を私の心に残してくれた祖父母に、感謝、感謝。

Book Reviews (マイブック評) さいはての彼女  原田マハ  角川文庫 August 29, 2022

「カッコ良い!」、と一昔前の表現が思わず出てしまいました。凪ちゃんのことです。ハーレーダビッドソンに、風と一緒になって乗る、素敵な女性ですよ。オートバイへの愛情で、誰とも親しくなり、助けちゃう、小柄なナギちゃん。4編からなる短編集で、それぞれが凪ちゃんの周りで起こる素敵な物語。強くて、繊細で、技術力に長けて、愛情たっぷり。こんな女性に会ったら、誰でも恋をしてしまうと思う。私自身数年前に北海道旅行をして、知床にも行ったので、凪ちゃんとツーリングをしている様な気持ちになりました。ありがとう!「ウジウジ」しちゃっている貴方。是非、凪ちゃんの物語で、元気になって下さい。

Book Reviews (マイブック評) 傲慢と善良 辻村深月 朝日新聞出版 August 29, 2022

「婚活」の真理を紐解いていくと、そこには恐ろしいばかりの真実が待っている。婚活をする本人だけではなく、その周りを囲む様々な人間模様と心理戦。「自分の物語」という言葉が、本文の中で巧みに使われているが、これは、自分を美化するためや、婚活が上手く行かない時の言い訳のために、都合良く作ったサーカスの安全ネットだ。 婚活を経て巡り合った婚約者が、突然いなくなり、彼女を探す事で、彼女の過去に踏み込み、又自分の過去にも舞い込む。そして、否が応でも現実と向き合いながら、自分の真の姿を見つめる様になる。最後「めでたしめでたし」で終わるが、30年、他力本願でレイジーに生きてきた人間が、数ヶ月で変われるのかなあ・・と、意地悪く感想を持った。「変われる」のは素晴らしいが、「変わりたくても、変われない」人も、沢山いると思う。終わりはともかく(!)、素晴らしい文章力と注意深い心理分析で、私は最後まで引っ張られる様にして、一気に読破した。辻村さん、本当にすごい作家です。