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Book Reviews (マイブック評) 楽園 上・下 宮部みゆき 文芸春秋 1/17/15 January 18, 2015

この本を読むのは、2度目。それでも、思いっきりのめりこんでしまった。サイコメトラーという現実的でないテーマだけど、内容はとんでもなく人間的。そしてとても素敵な話だ。「愛」に溢れているとも言える。宮部さんの素晴らしいストーリー・テラーとしての才能が、存分に味わえる本。長編だが、一気に読んでしまう。  

Book Reviews (マイブック評) 灰色のピーターパン・池袋ゲートパークVI 石田衣良  文芸春秋 1/4/15 January 4, 2015

久しぶりの池袋ゲートパーク・シリーズ。まこっちゃん、いつも本当にカッコ良い。池袋の街を、背の高い、ちょっと痩せ型の真島誠が歩いているのが、目に見えるよう。平成のスーパーマン。次々に降りかかる(というか、呼び込む)トラブルを、いつもスリル満点にスマートに解決。そして老若男女にもてる、まこっちゃん。良いですね。石田さんの、「池袋」という土地の選び方が良い。現実的な設定なので、問題とその解決が夢物語になっても、何だかすぐお隣の話のように感じてしまう。文章のスピード感も絶妙。もしこの池袋シリーズ、一冊も読んでいなかったら、是非一度手に取って見て下さい。

Book Reviews (マイブック評) 悪意 東野圭吾  講談社  1/4/15 January 4, 2015

流石、東野圭吾さん。どんな新作も読者を決して失望させない。裏の裏の裏、本の中の本。考えてみれば、とてつもなく複雑な内容なのに、そんな事は微塵も読者に感じさせない。思いっきりストーリーに惹き込まれて下さい。読み始めたら、本当に止まらない。嫉妬心というのは、人間の持つ悲しい心だ。そして、人をとんでもない方向に導いてしまう。それは、「悪意」となって。

English Blog A Movie “Whiplash” 12/21/14 December 21, 2014

This movie is about the music conservatory life which I went through myself. I attended Tokyo’s Performing Arts High School and Toho Conservatory in Japan, then master’s and doctor’s degree in the US for piano performance. At the last year of Toho Conservatory, 2 of my piano friends committed suicide because they could not handle […]

Book Reviews (マイブック評) ノルウエーの森  村上春樹   講談社  12/21/14 December 21, 2014

何度目かなあ・・・この本読むの。何だか、訳もなく急に読みたくなってしまった。これは、多分にホームシックかも。数年前に映画にもなって、ロサンゼルスで試写会を見に。ちょっと本とは違う印象でがっかり来たけれど、映像は確かに美しかった。村上さんの本って、アメリカ文学の翻訳調だ、っていう人もいるし、それも当たっている感じもするけど、でもやっぱり独自の村上ワールドで、感受性が敏感で、素敵。村上さんと世代は違うとはいえ、ロンドンブーツはいて、ベルボトムのジーパン(ジーンズじゃなくて)に長髪のお兄ちゃん達が闊歩していた新宿を熟知していた私は、自然に彼の本の世界に溶け込める。ネットもなく、携帯もなく、人と人とのコミュニケーションがもっとゆっくりと、廻っていた時代。今から何十年先に、この2014年をどうやって懐かしく思うんだろうか。もっとテクノロジーが発展して、今我々が持っているものが、ノスタルジーになるのだろうか。不思議・・全編に流れる、とてつもない優しさ、若さゆえのどうしようもなさ、孤独、死、そして生、愛。2日間、「ノルウエーの森」に浸ってしまった。

Book Reviews (マイブック評) 写楽暗殺  今江祥智  理論社 12/14/14 December 14, 2014

ファンタジー小説。そして、とてもお洒落。江戸の話と現代を上手く絡めて、写楽という実在した人物に深く迫る。大人の世界に子供達が元気に飛び回って、痛快!

English Blog LA Phil: Green Umbrella Concert 12/9/14 December 12, 2014

The concert started with Stockhausen’s “Gesang der Junglinge” (1956), and I felt as if thousands kids speaking to me from everywhere. I don’t know how many speakers they were using, but surely I felt the voices coming from every place in Disney Concert Hall. It is a good piece to start an European avant-garde concert. The conductor was Mattias […]

English Blog A Movie “The Imitation Game” 12/8/14 December 12, 2014

I have not gone to the movie theater for a while, and this movie was so perfect to come back to the theater! “The Imitation Game” is a British-American historical (based on the real true story!) thriller portraying Alan Turing, a British mathematician, logician, cryptanalyst, computer pioneer, and a long distant world class runner. He […]

Japanese Blog (日本語のブログ) ピアノ弾きにとっての、作曲家との対話 12/10/14 December 10, 2014

新しく勉強する曲、そして学生の時に勉強して、何度となく取り出して弾いて来た曲。どの場面でも、素晴らしい音楽を、この世に送り出してくれた作曲家達との対話がある。楽譜のページには、音符が並び、記号が点在し、強弱、感情を表現する言葉が、其処かしこに埋められる。「そこは、優しく」とか、「早く、そして激しく」とか、「遠くに一人ぼっちになるように」とか、様々。手のサイズは皆違うから、自分に弾き易いように、指使いを長い時間をかけて決めていく。以前に演奏した曲では、再考して変えることもしばしば。そして、だんだんと曲が仕上がっていく。これは、本当に長・・いプロセス。これに、暗譜が加わる訳だけど。このプロセスの間に、次第に自分が自然に音楽に溶け込んでいけるようになる。あくまでも、自然に。音楽に真摯に向き合うと、難しいテクニックへの攻略法が見つけられるのも、面白い。ちょっとした音符と音符の陰に、作曲家の秘密のメッセージが紛れていることもあるし、真剣に楽譜と向き合っていると、ページから自然に語りかけられることもある。 音楽を勉強することに、終わりはないし、完璧もない。明日はきっと、もうちょっとましになるように、今日がある。現在来年に向けて、新しいレパートリーを勉強中。木曜日は、新旧取り混ぜたプログラムで演奏する。

Book Reviews (マイブック評) 冬の光 今江祥智   理論社  11/30/14 December 1, 2014

「優しさごっこ」の続編。あかりが成長して、とうさんとの二人の生活も、変化していく。でも、いつも沢山の、それこそ優しさ一杯の人達に囲まれている。京都のちょっと田舎(私が勝手に作り上げているイメージ)で、日本の本式の食べ物を食べて、素敵な事に日々出会い、あかりととうさんの毎日。今江さんの素晴らしい筆で、本当に二人が生きて私に語りかけているみたいに、思える。これって、児童文学なの?そんな枠をどかっと超えた、位置にある。