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Book Reviews (マイブック評) 最後の家族 村上龍  幻冬舎   11/7/15 November 7, 2015

帯に「家族について書かれた残酷で幸福な最後の物語」となっているけれど、私はちっとも残酷とは思わなかった。でもこの家族が、幸福にたどり着いた事は確かだ。4人家族のそれぞれに章が与えられているので、我々読者は同じ場面を4回通過することになる訳だ。これって、時にはまどろっこしい、はっきり言って。多分、4人それぞれの視点から同じ問題を見て、問題を掘り下げるという発想かと思うんだけど、時に全く同じ表現が出てきたりして、だらける感もやむ負えない。しかし、圧巻はDVについての、定義だ。これが載っているページは、まだこの本を読んでいない貴方には秘密だが、この定義から導かれる本質と、それからの脱出法を読んだ時には、声も出ないほど(もちろん本を読んでいる訳だから、元々声には出していないけど)、感動した。そして、私の人生で起こった様々な望まない出来事を思い起こさせ、そこから私が脱出して来たことを考えた。この数ページのために、この本が存在すると言っても、過言ではなく、このページのためにこの本が、「読むに値する」ということになる。

Book Reviews (マイブック評) チエちゃんと私  吉本ばなな    ロッキング・オン  10/28/15 October 28, 2015

まさに、「ばなな節」全開の本だ。ゆったりとした時の流れに、その時々に感じた気持ちがふわーっと、入っている。現実的でいて、とても非現実の美の追求ともいえるかな。ばなな本が好きな人には、たまらない一冊だと思う。よしもとばなな、まだ読んでいないのなら、一回手に取ってみては??暖かさに包まれるような気持になる事、請け合い。

English Blog Sir Andras Schiff and LA Phil Concert 10/26/15 October 26, 2015

Sir Andras Schiff conducted LA Phil from piano for Mozart concerto No. 25, and conducted Haydn Mass in C major in the second half. In Mozart he created his own cadenza with musical quote (!). I think the night I went was French Anthem “La Marsellaise”! How fun! As always his tone and timber is […]

English Blog Sir Andras Schiff Recital at Disney Concert Hall on Sunday Oct. 18 and my memorable moment with him 10/24/15 October 24, 2015

This concert was one of Sir Schiff’s “Last Sonatas by Mozart, Haydn, Beethoven and Schubert” project. He performed Haydn: Sonata in E -flat major, Hob. XVI: 52, Beethoven: Sonata No. 32 in C minor, Op. 111, Mozart: Sonata in D major, K. 576, and Schubert: Sonata in B-flat Major, D. 960. All of those sonatas […]

Book Reviews (マイブック評) R.P.O. 宮部みゆき  集英社文庫  10/24/15 October 24, 2015

心理描写が深い、ミステリー。基本的に舞台は一か所。警察内の取調室と、それに隣接する取り調べ室をミラーごしに見られる部屋。舞台は極めてシンプル。だけど、そこで繰り広げられるドラマは、すさまじい。役者は、大物がそろっている。何か、舞台でのお芝居を見ているような気にもなってくる。二転三転する中で、次第に真相が明らかになってくる。それも真犯人が自分を追い詰めていくのだ。読者も時には、だまされてしまう設定の見事さ。ミステリー界の女王(こんな言葉、宮部さんはとっても嫌いだろうけれど。)にふさわしい、読者の心にドカンとくる一冊です。

Book Reviews (マイブック評) 少年計数機 池袋ウエストパークII 石田衣良   文春文庫 10/23/15 October 24, 2015

石田衣良さんの、大ヒット作の一冊で、究極の「ライフ・イン・池袋」のお話し。私は池袋には住んだことはないけど、子どもの頃西武池袋線の「ひばりが丘」というところに居たので、ちょっとだけ感覚が分かる気がする。それにしても、カッコ良いマコトちゃん。。。。男も女も、まさに老若男女が惚れてしまう男子とは、彼のことだろう。クールに見えて、熱血漢。ハンサムだけど、気取らない。八百屋のお兄ちゃんであり、クラシック音楽にも造詣が深い。石田さん、すごいキャラクターを生み出したものだ。これこそが、売れっ子作家の所以でしょう。いつも読みたいとは思わないけれど、たまにすごくマコトちゃんに会いたくなる。池袋ウエストパークシリーズは、沢山あるので、私にとってまさにうってつけ!そんな、一冊です。

English Blog South American Tour in Brazil, Chile, and Uruguay 9/30/15 September 30, 2015

First of all I appreciate everybody helping for this concert tour. It requires many aspects, and many people worked hard to be successful. I feel so lucky to have this great opportunity to share my music in different places, and communicate with people through music. I have posted some of the photos from there. Fortunately all of 4 […]

Book Reviews (マイブック評) うつくしい子ども 石田衣良  徳間文庫 ・ リアルワールド  リアルワールド  桐野夏生  集英社文庫  9/30/15 September 30, 2015

全く内容を把握しないで選んだ(南米のツアーに持って行った何冊かの本)この2冊が、不思議にも似たようなテーマを持って書かれていたとは・・最初に「うつくしい子ども」を読んで、その次に「リアルワールド」を読み始めた時には、びっくりしたし、興味がとっても沸いた。何故って??だって、全く違うアプローチと文体で、若者達の心の襞を、そして闇を探っているからだ。どちらが良いとか、という問題では全くなく、猟奇的、狂っているとしか言いようのない状況で、子供たちの叫び声を聞き取っていく。もし可能なら、この2冊を読んでみる事を、お薦め。どちらも、読み応えがどっしりあって、考察力がとてもしっかりしている、感動作です。

Book Reviews (マイブック評) ばななブレイク  吉本ばなな  幻冬舎文庫 9/30/15 September 30, 2015

吉本ばななさんの、ひと昔前のエッセイ集。だから、登場する人物が、カート・コバーンだったり、アイルトン・セナだったり、する。でも、「ばなな調」には、変わらないよ。つまり、ただ単に生活の中の独り言という訳ではないってこと。彼女の人生に大きなインパクトを与えた人の話しや、身近にいるアーテイスト仲間の話など。私が知らない人の話だったりすると、ちょっと分からなくて、ついていけない感もあったけど、なかなか面白い発想もあって、読破。

Book Reviews (マイブック評) おれは非情勤  東野圭吾  集英社文庫  9/30/15 September 30, 2015

これは、「手紙」とはうって変わって、軽いタッチの学園推理小説、短編集。非常勤講師が、行く先々の学校で遭遇する不思議を、解決していく、ちょっと暖かくも、可笑しくも、楽しい、まさに「学園もの」だ。多彩で、いろいろな顔を持つ、東野さんにふさわしいですね。軽く何かを、というのなら、是非お薦め!