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Book Reviews (マイブック評) 山崎ナオコーラ 可愛い世の中 June 8, 2023

山崎ナオコーラ、スゴシ!この本を再び読んでしまった。彼女の本を読むと、独善的な価値観に囚われて、どれだけ損をしている人が多い事か・・と、つくづく思う。結婚式の準備に奔走する豆子の話なので、「通常」の形式で行けば、この本は恋愛小説というカテゴリーに入るのだろうけれど・・とんでも無い。経済小説、はたまた人生の指針を突きつけられる厳しい物語とも言える。ただし、痛快なのである。どこまでも、痛快。笑うのである。ははは!彼女の刺激レベルに慣れると、他の本が生ぬるく感じて物足りなさを感じますね。辛さと同じ。私の敬愛する山崎ナオコーラ大師匠の御本、是非手に取って下さい。

Japanese Blog (日本語のブログ) ロサンゼルス発 熟年スモジョ「どすこい日誌」2023年5月場所 横綱照ノ富士関、おめでとう! May 29, 2023

照ノ富士関、復帰の場所、優勝おめでとうございます!どれだけのプレッシャーの中で、横綱としての責任を背負い、場所に臨んだことでしょうか。照ノ富士関のここまでの軌跡を考えると、前人未到の快挙です。初めてのお子さんも昨年誕生していたとか・・本当におめでとうございます。又、大関取りの場所の霧馬山関、集中力を切らさずに最後まで、凄かったです。霧馬山関が、取り組み前に土俵の塩を体に撒くのに気が付いていましたが、何か神聖で私は好きです。そして、師匠の陸奥親方と、どこか顔が似て来ましたね。 師匠と言えば、陸奥親方の霧馬山への愛情、本当に深いです。錣山親方の阿炎への愛情も、いつもビシビシ感じています! 閑話休題。いやいや、もう凄い場所でした。毎日、ワクワクしてテレビ中継に向かいました。そして、感動を呼ぶ取り組みの数々・・例えば、11日目の若元春と北青鵬の一番。うっちゃりで若元春が勝ったのですが、私は感動で涙しました。照ノ富士関、朝乃山戦で白星を勝ち取った時、ひっそり泣いていましたね。気高さを誇る、照ノ富士関でも、感情の波には勝てなかった、というところでしょうか。 本場所の話題の一つと言えば、北青鵬の肩越しの上手。あんなの今までに見た事ありませんね。びっくりです!怪我でもしたのでしょうか、後半に入って北青鵬、元気を欠いていました。しかし白鵬が親方を引き継いだ、宮城野部屋。落合、北青鵬と大物が育っています。もちろん、豪栄道(武隈親方)の部屋の豪ノ山、忘れていませんよ。十両優勝おめでとうございます。 貴景勝関、角番脱出、おめでとうございます。もう、必死でしたね。これで、来場所は、東西大関が並びます。他の3関取も、もう大関が近い!元大関の正代と御嶽海も、力を出しました。そして、元大関の朝乃山の躍進。もう役者揃いです。これからの大相撲、目が離せませんよ。 NHKが場所と並行して放送する「どすこい研」。今回は「立ち合い」でしたが、二所ノ関親方のコメントに、立ち合い、少し遅れて立つと力が発揮出来る、というのがあり、ヨシヨシと相撲放送でそこに注目して観戦すると、何となく分かる気がしました。この番組は、我々相撲ファンの強い味方です。毎回楽しく拝見しています。 相撲観戦は、名古屋場所まで、休憩。そして、7月に終わりから2週間日本に帰国するので、巡業に行ければ、と願っています。    

English Blog Leoš Janáček (1854-1928): Pohádka (Fairy Tale) May 15, 2023

I have always been fascinated by Janáček’s music since I got known with his piano composition “In the Mists”. “Fairy Tale” and “In the Mists” were written around the same time, at a difficult time for Janáček, following the death of his daughter Olga and when he was still seeking musical recognition.  If you don’t know […]

English Blog A Movie “The Chronicle of Anna Magdalena Bach” (1968 film) May 15, 2023

To the surprise of some of his associates, a renowned period keyboard player, musicologist, and conductor, Gustav Leonhardt, accepted the role as Johann Sebastian Bach (played in a wig) in this movie. And Anna Magdalena Bach is played by Christiane Lang. “The Chronicle of Anna Magdalena Bach” consists of many excerpts from Johann Sebastian Bach’s […]

Book Reviews (マイブック評) 猫を棄てる 村上春樹 文春文庫 April 29, 2023

短編の中に、村上さんのお父様への想いが詰まっている一冊。所謂「昭和」を思い出させるイラストが、興を添えている。猫を一緒に海岸に捨てに行った思い出から、お父様の生涯を紐解いていく。長い年月親子関係は余り良好では無かったと理解しているが、お父様の亡くなる少し前に和解したと、記されている。文庫の帯にもあるように、ああこういうご家族から村上春樹は産まれたんだなあ、と「血」の不思議、「縁」の不思議、そして必然を感じた。

Book Reviews (マイブック評) 職業としての小説家 村上春樹 スイッチ・パブリッシング April 29, 2023

村上さんの自叙伝的エッセイ。でもご本人が強調していらっしゃるように、村上春樹さんは、真の小説家です。と言う事は、小説としてこのエッセイも書いているかもしれませんね。閑話休題。このご本を読むと、村上さんが一冊一冊にどれだけ精魂を込め、推敲に推敲を重ねているのかが分かります。さりげない文章を生み出すために、推敲を重ねる。音楽を作る事にとても似ています。そして世間で言う「職人仕事」にも通じますね。ご本人がおっしゃる様に、10年くらい続ける事は出来るかもしれないけれど、30年、40年というスパンで一線で活躍し続けることは、並大抵ではありません。そして、ご自分のスタイルを確立し、それを貫いているところも素晴らしい。新人賞を取った後、プロ作家として歩む事を決意した時に、調子に乗っていた「ジャズ喫茶」を手放す決断も潔いですね。私だったら、「ジャズ喫茶店主の作家」みたいなタイトルで活動を始めるかもしれない・・でも私にも、(私事ですみません)いくつか人生で大事な選択をした事があり、それは今でも自分の誇りになっています。この本は小説家を目指す人の指針にもなるだろうけれど、「一度きりの人生への向かい方」みたいなものへの、エールにもなると思います。

English Blog 2023 Happy Easter! April 9, 2023

Pope John Paul II “Do not abandon yourselves to despair. We are the Easter people and hallelujah is our song.”

English Blog Tribute to Ryuichi Sakamoto (1952 – 2023)  坂本龍一の残したもの April 8, 2023

Sakamoto passed away on March 28, 2023. His achievement is so big and I am sure so many people have already written about it. Personally, I grew up listening to YMO, and as an adult I performed his piano music on so many occasions. I took his music for my tours when I introduced Japanese music […]

Book Reviews (マイブック評) 2020年の恋人たち 島本理生 中央公論新社 March 13, 2023

母親の死後、32歳の前原葵が、男性遍歴(日本語で便利な言葉ですね)を重ね、自立していくお話しだ。東京の中でも、私が今でも比較的分かっている地域が舞台になっていて、そこは読んでいて楽しかった。この本の中で、1番気に入った言葉は「無理矢理握りしめていた偽物の保証のほうが、ずっと不安を生んでいたって・・」「偽物の保証」、素敵な言葉で、言い得て妙ですね。大昔に読んだ曽野綾子さんの小説で、やはり若い女性が次々と男性に好かれる話を、題名も忘れてしまったけれど、何故か思い出しながら、読んでいました。こんなに短い期間に、個性的で素敵な男性陣に大モテの葵。出会ったばかりの居酒屋の店主とスペイン旅行をしたり、ちょっと無理があるかなあ・・・ でも、お話し自体は大変面白く、一気に読んでしまいました。はい、流行作家は凄いです。

Book Reviews (マイブック評) もっと塩味を!林真理子 中央公論新社 March 13, 2023

いわゆる、Based on the True Story で、もちろん有名なシェフのお話しです。でも主人公は、その妻の美佐子。パリで、ミシュランの星を獲得することを夢見て、全てをかけて奮闘した女性、美佐子。「恋に生きた」と言えばかなりカッコ良いけれど、そんな綺麗事ではない、凄まじい世界を生き抜き、最後は若くして癌でこの世を去った。最初、和歌山で裕福な家庭の主婦だった一女性が、「料理」に憑かれ、当時珍しかったフランス料理の魅力の虜に。子供も家庭も捨て、東京に出ていく美佐子。そこで出会ったシェフとの人生を歩み始め、最初に日本のレストランで成功。次にパリに出店計画を立てるものの、バブルが弾け、サポートを失う。。。凄い女性だ。きっと近くに寄ったら、そのエネルギーでこちらが溶けてしまったであろう。現実的に、美佐子に親近感を得ることは出来ないけれど、読んでいてとても面白い本であることは、間違いない。林真理子さんの御本ですから、ね。