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Book Reviews (マイブック評) カツラ美容室別室 山崎ナオコーラ  河出書房新社 12/14/18 December 14, 2018

いつもの言い訳ですが、海外在住の為、この作者の事、知りませんでした。。ああ、感動!1ページ目の最初の数行読んで、虜になりました。淡々としながらも、無駄のない文章運び。町の美容室を中心に、飛び切り素敵な普通の人達が、紙面を闊歩する。暴言も吐く。恋ごときもする。ご飯も食べれば、深酒もする。極々日常の時間を、ボソボソと表現。良いなあ!高円寺というと(この本の中心地点)、私にも思い出の深い場所。町の商店街仲間っていうコンセプトが、アメリカにいると、とてつもなく、懐かしく思えるもの。「故郷は、遠きにありて、想うもの」、とは良く言ったものですね!

English Blog A Movie “Shoplifters” 万引き家族 12/3/18 December 3, 2018

I have been looking forward to seeing this movie since this summer. Finally it is showing at the nearby theater. I love Kore-eda’s movies. “Shoplifters” won this year’s Palme d’Or! Kore-eda revisits the theme on “Family”, this time even deeper. The made-up family lives with an old lady in the very tiny house in Tokyo. […]

Book Reviews (マイブック評) いとおしい日々 小池真理子  徳間書店 12/3/18 December 3, 2018

小池さんは、お姿も美しく、そして文体も美しい。素敵なエッセイ集。日常を切り取り、綺麗なモザイクのように、文章にしていく。緩やかな時間と、魅力的な光の加減。この本を、さり気なくコーヒーテーブルの上に置いて見たいなあ。ちょこっとソファーに腰掛けて、本を開くと、そこは現実から離れた、桃源郷。急がずに、ページをゆっくりめくって、読みたい本である。

Book Reviews (マイブック評) 円卓 西加奈子  文藝春秋 12/13/18 December 3, 2018

こういう本を読むと、ああ!大阪に住んで見たいなあ、と思ってしまう。私の家は、両親とも東京出身で、大阪に親戚もいない!生粋の江戸っ子と言えば、カッコ良いけれど、そういう気っ風の良さがある訳でもない。気取らずに、サバサバと会話をして見たいものである。こっこ(主人公の女子)は、とっても可愛い。純粋だけど、納得できないことには、ガンとして戦う。そして、大家族だから、孤独に憧れ、病気に憧れ、素敵に憧れる。健気な冒険物語である。正直、私はこういう本、大好きである!  

Book Reviews (マイブック評) まく子 西加奈子  福音館書店 11/23/18 November 23, 2018

何とも、不思議なお話!そして、とっても素敵な挿絵の数々。天は二物を与えず、なんて言葉があるけれど、西さんには当て嵌まりませんね。ご本人、又とびきりの美人と来ているし!子供の目を通して、世の中の酸いも甘いも嚙み分ける現実。宇宙人が出て来たり(LIFEの宇宙人総理を思い出しますね!)、浮気相手が出て来たり、はたまた、不登校児が出て来たり、登場人物は千差万別。その中で、モヤモヤ、葛藤を経験。初恋も知る。自分を自分でどうして良いか分からなくなる毎日。私も子供の頃そうでしたね・・・葛藤と苦難の連続でした。まあ、それでも、大人になり、こうして中年になっています!慧(主人公)と一緒に温泉街の日々を過ごして見ませんか。不思議だけど、ほのぼのとする事、間違いなし!

English Blog A Movie “Maria by Callas: In Her Own Words” 11/20/18 November 20, 2018

She is Maria Callas!! And she talks about herself. So it is easy to imagine what we may see in the movie 🙂 What a life! She died when she was 53 in her apartment in Paris. When I was in Paris I happened to spot her tomb. It is very simple, unlike her real […]

English Blog Beethoven: Piano Sonata Op. 109 11/5/18 November 5, 2018

I have been studying Beethoven’s piano sonata Op. 109. I have taught this piece, but I have never performed it. Op. 109 has been living in my heart for a long time, and I am glad to prepare for the performance, finally. As everyone knows it is a very special piece. The first movement is […]

English Blog Beethoven Second Piano Concerto Op. 19 10/26/18 October 26, 2018

In 1795 Beethoven had a mission to achieve! He had a Vienna debut concert coming up. Beethoven was 24 years old (at the time of the concert), and he needed to show how great he was as a composer and a pianist. Beethoven had 2 big musicians to follow, Mozart and Haydn. He carried their tradition […]

Book Reviews (マイブック評) 劫尽童女  恩田陸  光文社 10/26/18 October 26, 2018

私、正直言ってSF物は苦手なので、この本、最初読み始めた時は、どうしようかなあ。。。と迷っちゃって、すぐに読み始めなかった一冊です。「劫尽童女」は、超SFとも言えるけど、人間の悲しい一面と愛を書き切った、人間そのものとも言える小説です。人間の強さって何だ、愛するって何だ、ということを、超人間の童女を通して描いています。表紙の絵が、何を表しているのか、どういう観点でこの小説の表紙になったのか、ちょと訊ねてみたいですが・・

Book Reviews (マイブック評) 私と踊って 恩田陸  新潮社  10/26/18 October 26, 2018

普通、短編集と言うと、クッキーの詰め合わせみたいな感じで、それとなくまとまっているものですよね。それが、なな何と、この短編集、キムチあり、ポタージュあり、はたまた、寿司に天ぷらと、何でもありの短編集なのです。しかし、そこが恩田さんの凄いところで、全編読むと、やっぱり同じ作者なんだなあ、と納得してしまう。デイヌ・リパッテイを題材にしたものから、賢い犬・猫のホラー物語まで、作者の懐の広さ、果てしない興味の奥行が出ています。一編一編が短いので、ちょこっと読めますよ。