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Book Reviews (マイブック評) うつくしい人  西加奈子  幻冬舎文庫 2/24/19 February 25, 2019

心が芯から疲労する事。これから逃避出来た主人公百合は、ある意味幸せ。逃避が出来ずに、がんじがらめになっている人がどれだけいることか。そして、家族の問題を引きずっている人も、そりゃあ沢山いる。兄弟との葛藤、親との軋轢。何でも、ありだ。本書は、逃避旅行に親のお金で出かけた百合の、回復記というのか、解放記というものである。その中で、姉との軋轢に想いを馳せる。微妙な心の声を、全部きちんと、拾い上げていく西さんの、素晴らしい文章に、きっとのめり込んでいくはず!

Book Reviews (マイブック評) 白いしるし 西加奈子  新潮文庫  2/19/19 February 19, 2019

ポーランド映画の”Cold War”を見た後、この究極の恋愛小説を読んだ。ああ。。やっぱり私は、日本人。全てがしっくりする。心から共感し、涙する。夏目と間島。会うべくして、出会った二人。濃密な二人だけの時間。それはとても短いものだけど、その豊かさ故に、時間が関係なくなる。”想いを馳せる時間”、何て苦しく、素敵なのだろう。是非、お薦めの一冊。

English Blog A Movie “Cold War” 2/19/19 February 19, 2019

“Cold War” has been advertised and talked. So I went to see it. Yes, it is beautiful and romantic. The picture (black and white) is gorgeous. The music is great. But the story is not convincing to me. I suppose the story does not matter in romance?? Each scene is almost a segment, and sometimes […]

English Blog Beethoven Piano Sonata Editions 2/11/19 February 11, 2019

As I practice Beethoven Sonatas I have been looking at the different editions for my curiosity. Henle is wonderful and just so nice to see the dark blue cover! Recently I am drawn to Hans von Bülow edition. I can tell he was a great teacher. His comments are often very practical, yet very passionate. […]

English Blog Living with Beethoven’s Life 1/21/19 January 21, 2019

I am focusing on Beethoven’s music in the 2018-19 season. I was little overwhelmed few weeks ago preparing so many Beethovens! I just performed Beethoven’s 3 cello sonatas, and will perform Beethoven’s 3 piano sonatas in February. It was almost “miracle” that I started to feel comforted once I passed the stage being overwhelmed. Beethoven’s […]

Book Reviews (マイブック評) タンノイのエジンバラ 長嶋有  文藝春秋 1/21/19 January 21, 2019

人生の一コマを切り取り、それを丁寧に描ける作家、長嶋有さん。4編の短編からなるこの本。どのお話も、もしかすると、見逃してしまうかもしれない、だけど、とても大事な、とても苦しい、だけど、とても素敵な、そんな人生の一コマを、描いている。オンラインに翻弄される時代、こういった時間空間が、とても貴重で、特別だ。オンラインの生活が普通になってしまった現在、情報も溢れ、ちょっと素敵なウェッブページも平凡になり、人は次から次へと「興奮」を求める。「自分であること」を持ち続ける大変さもあるけど、それが出来た人が人生の光を見つけて行くと思う。そういった方向性を差し出してくれる、本です。

Book Reviews (マイブック評) 夕子ちゃんの近道 長嶋 有 新潮社 1/8/19 January 8, 2019

私も日本に居た頃は、行きつけの居酒屋があって、何となく仲間が集まって、家族っぽくなったりして居た。日本的な空間というか、空気感というか、チマチマと言うと語弊があるかもしれないけど、半径10メートルくらいの中で起こる日常が、描かれているこの本。片側が5車線くらいあるフリーウエーがバーンと走っているアメリカ暮らしの中にいると、遥か彼方の物語に見える。とっても、素敵なのだけれども。日本人にはやっぱり「裸の付き合い」とか、「隣組」とか、「町内の回覧板」とか、が似合うなあ。だjけど、日本に帰国する度に思うのは、ちょこっと旅人で行くと、町はごちゃごちゃしているものの、「人間味」とか「温かみ」に触れるのは困難だと言う事。以前にも書いたけど、「故郷は、遠くにありて思うもの」とは、言い得て妙。日本の友人たちからも、「家族」の難しさについて聞かされるし・・・映画「万引き家族」然り、血の繋がりとは関係ない密な関係が、求められている時代なのだろう。「夕子ちゃんの近道」でも、そんな寄集めの集団での、「暖かい」人間関係が描かれている。(追伸:大雑把に見えるアメリカ社会だけど、家族の絆は強いし、家族を皆本当に大事にして居ますよ。)

Book Reviews (マイブック評) 猛スピードで母は 長嶋有 文芸春秋 1/2/19 January 2, 2019

カッコ良い、お母さんだ。それも飛び切りの、カッコ良さ。そして、自分の信念を曲げない。「我が道」を行くのだけど、決して我儘ではない。離婚して、男友達だっている。結構、モテるのだ。そのお母さんが大好きな慎が、「母」の事について語る小説。「母」はいつも、猛スピードで車を走らせる。

Book Reviews (マイブック評) 想像ラジオ いとうせいこう 河出書房 1/2/19 January 2, 2019

不思議な、そしてとても現実的な、哀しくも、愛おしい話。東日本大震災の亡くなった方々の会話が、想像ラジオで流れるというもの。死者と生きている者とを結ぶ橋が、どこにあるのか。もしくは、ないけれど、それを心愛おしく思うのか。死者の世界って?この世界の人間が行った事のない黄泉の世界の声を、代弁してくれる小説である。人間の「想像」という力は、すごい。これこそ、人間たりうる能力で、動物にないもの。私自身、空想癖があるし、想像の世界で楽しむのが好きである。黄泉の世界の想像ラジオ、ご興味があれば、是非この本を紐解いて欲しい。

English Blog A Movie “Capernaum” 1/2/19 January 2, 2019

I saw this movie just before Christmas. “Capernaum” blurs the line between fiction and reality. The performers are not acting. They are real people, like the characters in the movie. The movie is from Lebanon, and directed by Nadine Labaki. The movie starts with the scene which a 12 years old, Zain (Zain Al Rafeea), […]