Japanese Blog (日本語のブログ)
当代きっての売れっ子作家は、やはり凄い。様々な事に興味をお持ちで、どの局面でもキチッとさばいていらっしゃる。文章のキレが良く後を引く面白さで、かつ批判するところでは、言葉を緩めずにちゃんと発言なさるのだ。そして、愛情いっぱい、とても心が広い。また、行動力も生半可ではなく、東西南北、縦横無尽だ。林さんのエッセイ集が手元にあると、こちらの心に余裕が出来るようだ。是非手に取ってみて下さい。
後半に入っての「どんでん返し」は、準備出来ていませんでした!でも、そのカラクリが分かると、今までの道のりが、クリアに見えて来るんですね。プロローグに伏線が張られているのだけど、それは中々上手くカモフラージされていて、「カラクリ」と結びつけることはかなり困難。取り敢えず一章づつ読み進む訳だけど、読みながら泥沼にハマっていきそうな、気分になる。その「意地悪さ」「気持ちの暗さ」に、読んでいるこちらの精神が、キシキシしてくるのだ。そして、最後のページまでたどり着くと、不思議な事に、その苦しさが爽やかさに変換していく。緻密な計画の元に作られたであろう本書。読み応え、かなりありますよ!
本の内容は、正に題名が語るが如し。でも・・表紙の装画は、随分と「柔らかく」「パステル」調で、本文とそぐわない感がある。基本的には、大学4年間の人間関係がテーマ。しかし、読み進めていくうちに、「青二才」というよりドーンと重くて、「脆い」というより強固で、迷いは沢山あるものの、「痛い」というより、戦いかもしれない。私にとって一番面白かったのは、現代の若者日本語。ぞんざいで、歯切れよく、男言葉も女言葉もない。微妙に摩擦を避ける、その巧みな言葉選びに、感服。そしてテンポが抜群に良い!可愛い子ぶっても、言う事はしっかり言う、ポンちゃん。董介の、巧みな話術とコミュケ(私にとって新しいボキャブラリ)能力。僕はと言えば、孤独を気取りながら、しっかり就活をやり、内定も取る。「青くて痛くて脆い」のはやっぱ、「ヒロ先輩」かもしれない。どんでん返しもあり、「ええ〜!」となる場面ありで、我々読者は、マンマと作者の罠にハメられる。住野よるさんの御本、一度手に取ってみては?
とっても気に入った本です!現代版フェアリーテールというのか、お伽話というのか。21世紀日本版「不思議の国のアリス」かもしれない。とにかく、素敵なお話しですよ。三歩(20代女性)は、大学の図書館勤務で、職場の中では、気持ちの熱い先輩諸氏に囲まれているんです。優しい先輩、怖い先輩、そしておかしな先輩。三歩ちゃん、セクシー下着も着るし、仕事をサボる事もある。しかし、大ボケだし、超ピュアだし、大食いだし、人よりちょっとゆっくりだし・・ 何と言っても、好きなものに囲まれて暮らしているのが、最高!何でも、楽しみに変えて、生きている、三歩ちゃん。ブルボンのお菓子に信奉しているし、ラーメンだって大好きだ。ドーンと落ち込む事もあるけど、楽しみを逃すまいと、好きなものに気持ちを切り替える。職場の先輩に怒られてギャフンとしたって、ブルボンのお菓子を買って帰る事を決意し、すぐ前向きになる。この本ぜーんぶ好きだけど、この本に使われている表紙の女性、ちょっと素敵過ぎないかなあ、と思うんですが・・スミません。私的には、ムーミンに出てくるスナフキンを、一捻りした風来坊風20代女性が良いなあと、希望しています。しかし、この希望は叶わなくて全然OKですよ。何かウジウジしている貴方、是非麦本三歩に触れて見て下さい!
フランスに持って行った本、第3弾!これで、最後です。いやあ・・、カワイイ地獄とは、正に言ったもの。この一冊に、「カワイイ」に中毒してしまった男女が、沢山出てきます。キャバクラを題材に、そこから派生して、人間模様を鋭く描いている訳ですが、余りにも凄くて、読んでいる私もちょっと気分が悪くなりかけましたよ。「カワイイ」の為には、何でもする、その凄まじさ!人間というのは、何かに縋って生きてたいもの。それが、「カワイイ」だったという事なんですね。しかし、そのエネルギーって、半端じゃないですよ。「カワイイ」地獄、お気を付けて。
フランスに持って行った本、第2弾。東野さんの、ユーモアのセンスに、本当に頭が下がります。飛行機の中で、沢山笑わせて頂きました。ご自分が住んでいらっしゃる出版業界を、揶揄し、翻弄し、笑いの渦に巻き込む。良くご存知だからこそ、逆転の発想で、面白くも出来る、という事なのでしょうか。まあ、兎に角、一度手にとって、読んでみて下さい。貴方も、笑いが止まらなくなるはずですよ。
フランスへの旅に持って行った本のリビュー、本当に遅くなってしまったけれど、書いています。「元気になる本」、「勇気が出る本」というのが、まず印象。こんなに全ての事が、ドン底から始めてトントン拍子に行くのか、と言われれば、「?」となるけれど、そんな事はどうでも良いのでは・・現実かどうかが、問題ではなく、希望を持とう!という事だと思います。最悪の引きこもりから、米作りに関わる事で、人とも関わりを持てるようになった主人公。太陽の元で、元気を取り戻していき、人の心にも寄り添えるようになる。素敵な本でした。
コロナ禍になって初めてのお客様を入れての地方場所。どれだけ名古屋の相撲ファンが待っていた事だろう。それが終わって見れば、何とも後味の悪い場所となった。6場所振りの進退をかけた場所に、横綱白鵬は臨み、表面上は優勝杯を手にしたが、自分の野望に負けた、と私は思う。13日までの素晴らしい相撲で、やっぱり白鵬は凄い、待った甲斐があった、と相撲ファンの誰もが思った筈だ。それを、14日目の正代戦で、全てぶち壊し、もっと言えば、44回の優勝を成し遂げた偉大な横綱像をも、すべて台無しにした。そんなにしてまで、勝ちたいのか?偉大なモンゴル相撲の横綱のお父上に、東京オリンピックまで相撲を取り続けると約束したと白鵬は言うが、あんな小狡い奇襲戦法で勝つ事を、メキシコオリンピック金メダリストのお父上が、喜ぶのだろうか?全く、情けなく、とんでもなく腹立たしい。千秋楽の照ノ富士戦も、全勝力士の対決で沸くなか、悪どいカチ上げと張り手の連続。挙句に、勝って雄叫びを上げる始末。「相撲道」を何と捉えているのか。白鵬に、横綱道を教えられる先輩、親方が居ない事もあるが、大相撲の世界にこれだけ長く君臨し、色々と経験してきたであろうに・・白鵬は引退後、部屋を起こすらしいが、多難の道であろう。 若手の琴ノ若と豊昇龍の三賞受賞は、実力のある二人だけに、今後に嬉しいニュースとなった。再入幕の宇良の勝ち越しも、感動を呼んだ。身体が張って若々しく、ピンクの廻しとタオル、そしてひとつまみの塩まき。今後も、北の富士さんではないけれど、大いに応援して行きたい。又、小兵の照強、石浦も勝ち越し。2メートルに届こうかと言う19歳の北青鵬の幕下優勝、16歳の春雷の序ノ口優勝は、幼さの残る顔立ちも手伝い、インタビューではこちらもテレビ越しに、思わず微笑んでしまった。新入幕の(イケメン)一山本は、緊張も見せずに、勝ち越しを手にし、今後に期待させてくれた。私の応援する千代の国は、頑張ったものの後一歩で勝ち越しに手が届かなかった。怪我の多い力士なので、気合いと安全さのバランスを計り、今後も大事に相撲を取って行って欲しいものだ。新小結明生の勝ち越し、逸ノ城の活躍、霧馬山の9勝など。 白鵬の思慮のない判断で、名古屋場所の最後が残念なものになったが、それはそれ。場所は大いに盛り上がり、こちらも、15日間深夜12時から2時まで、スモ友のT子女子と、携帯片手にテキスト(ライン)の応酬で、相撲を堪能した。巡業のない現在、お相撲さん達も暫しの休養。英気を養って、9月場所で又暴れて欲しいものだ。又、NHKの相撲アナウンサーの方達、解説の親方衆、本当にお疲れ様でした。
塩野七生さんのイタリアにまつわる歴史小説の存在は知っていたものの、中々チャンスがなく、今回初めて読む事に。すっかり、メデイチ家の虜になってしまった。幸いな事に、数年前イタリアに行った時に、フィレンチェも訪れていたので、想像の中でフィレンチェの市街をマルコ達と歩く事が出来た。ヴェッキオ橋(Ponte Vecchio)の喧騒も、花の聖母教会(Santa Maria del Flore)の美しさも、思い出しながら。歴史小説は、史実に基づいた小説、つまりある意味、本物の歴史より面白い訳だ。恋物語あり、殺戮あり、政治工作あり、権力争いありと、人間が生きていれば遭遇するであろう、様々なポイントが網羅されている。最初の数ページの、本著に関するカラー写真も大変良い。塩野さんのローマ人の物語(ハードカバーで全15巻!!)、一冊目から、少しづつ読んでいこうと思っている。インターネットの凄まじい世の中、脱ネットで、紙のページをめくりながら歴史に身を委ねるのは、最高のご褒美かもしれない。
藤田さん、最後の作品。何が真実で、何が作られた悪なのか。屈折しつつも、あっけらかんと自己愛を貫く主人公、圭子。ミステリー性を大いに含んだ、ロマンス一杯のストーリーです。きっと、お病気の状態も悪かったのだろうけれど、こういうエンタメを産み出してしまう作家という職業。凄いですね。逆に言えば、ストーリーを頭の中で考え巡らせる時間が、病とは別の次元にあり、それが生きる糧になるのかもしれない。藤田さんの素敵なお姿を思い浮かべながら、本を読み進めました。ご冥福をお祈りします。