Japanese Blog (日本語のブログ)
「婚活」の真理を紐解いていくと、そこには恐ろしいばかりの真実が待っている。婚活をする本人だけではなく、その周りを囲む様々な人間模様と心理戦。「自分の物語」という言葉が、本文の中で巧みに使われているが、これは、自分を美化するためや、婚活が上手く行かない時の言い訳のために、都合良く作ったサーカスの安全ネットだ。 婚活を経て巡り合った婚約者が、突然いなくなり、彼女を探す事で、彼女の過去に踏み込み、又自分の過去にも舞い込む。そして、否が応でも現実と向き合いながら、自分の真の姿を見つめる様になる。最後「めでたしめでたし」で終わるが、30年、他力本願でレイジーに生きてきた人間が、数ヶ月で変われるのかなあ・・と、意地悪く感想を持った。「変われる」のは素晴らしいが、「変わりたくても、変われない」人も、沢山いると思う。終わりはともかく(!)、素晴らしい文章力と注意深い心理分析で、私は最後まで引っ張られる様にして、一気に読破した。辻村さん、本当にすごい作家です。
瀬尾さんは、大好きな作家です。このご本も、大層素敵な仕上がり。一気に読んでしまいました。PMSの発作に苦しむ藤沢美沙(28歳)と、パニック障害の為、生活が著しく制限されている山添孝俊(25歳)のサバイバル恋愛とでも言いましょうか。説明するのは本当に大変な状況なのだけど、自分でコントロール出来ない、人前で起こる突発的な発作。この為に、出来る事が限られる生活。そんな2人が、2人の世界だと、何故か少しだけ自由になれ、息がしやすくなる。2人でいると、「絶対に無理!」と諦めていた普通の食事が出来る。山添君は、何故か美沙さんの発作を予測出来、上手い具合に回避させる。そんな2人の、ほんのささやかな日常を描いた、とてもバラ色のお話しです。読んでいて、知らずに微笑んでいますよ。
三浦しをんさんは、私の大好きな作家。ドイツ旅行中に読む、第3冊目の本です。穂積怜は、高校生で、小さな観光地に住んでいる。ヤンチャな友人達、思慮深いマルちゃん、商店街の面々。そして、元気なお母さん寿絵さんと、起業家の伊都子さんは、もう一人のお母さん。伊都子さんには、年下の同居人兼主夫、慎一さんがいる。とにかく、役者揃いの、最高に面白い青春小説だ。
三歩ちゃんシリーズの第2弾!麦本三歩の日常が、無理せず自分のままで描かれ、ホント読んでいて、のほほ〜んとしてしまう。現在、ドイツ旅行中の私、飛行機もそうだけど、電車に乗る事も多く、時に居眠りしながら、ゆったり読むにはピッタリの本である。食べるのが大好きな彼女、いつも美味しそうにページの中で食している。むにゃむにゃ。興奮すると、人見知りながら、果敢に話すが、いつも噛む。滑舌悪し。必ず、ドジを踏み、いつもアザが耐えない。三歩がんばれ!愛する三歩。
95歳で書かれた素晴らしいご本。作者の熱量が、ビシビシ伝わって来る。同世代の日本を代表する作家達との交流が、現在のご自分の暮らしとのオーバラップで、本は進んでいく。第一線の作家達の素顔(らしい、小説なので・・)を垣間見る事が出来、私に取っては未知の世界、触れてはならない世界が、目の前のページから飛び込んで来た。作家としての苦悩、喜び、そして必然性。素晴らしいの一言です。瀬戸内寂聴さん、惜しくも100歳を目前に昨年、11月に亡くなられた。その生涯を捧げて描き続けた小説というもの。ご本人にとっては、息をする事と同じ様に、なくてはならないものであったのだろう。ご冥福を祈りながら、改めて瀬戸内寂聴という大きな存在が、この世界から消えてしまったのだなあと、感慨深い。
芥川賞受賞作。これだけでも、普通なら大変な事であるが、作者、本谷有希子さんの才能はそこだけに止まらない。20歳ちょっとで、自分の名前を冠した劇団を旗揚げし、演出も手がけるのだ。そして、戯曲では、様々な賞を受賞していらっしゃる。是非、彼女の作ったお芝居も観てみたいものだ。そして、今までにも小説も沢山出していらっしゃるし・・ そして、この「異類婚姻譚」。実は、少し前にこの「夫婦の顔が似てくる」というテーマについて、アメリカの義理の妹と話した事がある!私達の会話の根源は、どちらかというと遺伝子的な事から始まったのだけどね。(彼女は、植物学者なので、ちなみに。)我々の会話ではないけれど、現実的にも、この「夫婦似」現象、結構あるのではないだろうか。しかし、それを小説に昇華するというのは、本谷さんだけだろう。それも、こんな濃厚なお話に。ああ、こういう文章が、大きな文学賞を取るのだなあ、と思い知らされた一作でもある。
何と、奇抜な発想と転換。「むらさきのスカートの女」と主人公の関係は、愛でも、友情でもなく、妬みでも、嫌悪でもない。主人公は、とても「むらさきのスカートの女」と、友達になりたがっているが、最後のページまで、この主人公が誰なのか、読者は知らされない。勘が良い貴方なら、気がつくかもしれないけれど、ね。そして、この主人公、うまーく「むらさきのスカートの女」を操り、陥れる事に成功してしまう。英語だと、コントロール・フリークとでも言うところ。淡々とした表現の中に、狂気が垣間見え、ちょっとゾッとするのは、私だけであろうか。偏執狂にご興味があれば、この本をお薦めしますよ。
ほんの数日の出来事が、大長編となる凄さ!高級ホテル「ホテル・コルシカ東京」のカウントダウン・パーテイは、仮面・仮装での参加。そこに、犯人からの挑戦状が届くという訳である。東野圭吾ファンを長く続けさせて頂いている私である(ここは敬語で臨みます!)。ちょこっと、謎解きが出来たので、自分自身を褒めて上げました。最後のどんでん返しには辿り着けなかったけれど、探偵の助手くらいは務まるかも!伏線が沢山あるので、その辺を上手く見つけて、貴方も犯人探しの手助けをしてみませんか?魅力ある登場人物ばかりなので、退屈しませんよ。
後半戦、優勝は誰か・・・と、ヤキモキした5月場所。毎日、本当に相撲中継が楽しみでした。結果として、照ノ富士が横綱の貫禄を見せて、賜杯を掴みましたね。優勝インタビューでは、喜びと共に横綱としての重責を語り、自然体の姿勢に好感が持てました。語るまでもなく、結果を出せなかった大関陣。千秋楽に、かろうじて貴景勝が正代相手に勝ち越したものの、残り2人の大関はひどい負け越しで角番。3役では、阿炎が7勝止まりでしたが、若隆景9勝、豊昇龍8勝、霧馬山10勝と、これからの相撲界を牽引していく大きな力を感じました。 私は、心から佐田の海にエールを送りたいですね。35歳、真面目で真摯な相撲態度。2度目の三賞受賞でした。大栄翔、隆の勝の三賞ももちろん順当。左差しみの若元春、四つ相撲の琴ノ若、9勝。関取で唯一北海道出身の一山本も成長著しく8勝。復帰を感じさせる明正8勝、翠富士はたき込み炸裂で9勝、ベテラン勢では隠岐の海9勝、碧山10勝。幕尻の2人、千代大龍と錦木が勝ち越し。中盤まで場所をリードしていた、幕内力士最年長の玉鷲は、9勝。宇良は、優勝戦線に残っていたものの、怪我で14日目から休場。 相撲協会の新体制化で、審判部、テレビの解説担当が入れ替わり、今まで中々お話を聞くチャンスのなかった親方の解説が聞けたのも、興味深い場所でした。九重親方(千代大海)の解説に、私は惚れ込んでしまいましたね。「土俵に上がると一対一の男の勝負」、「相手がここで勝負をかけて来るんだという勘」など、思い出深いコメント多々。又、若の里の西岩親方は、39歳で引退するまで変化は一度しかしなかったというお話し。これにも感動!これはテレビの相撲中継ではありませんが、春日野部屋の力士が、春日野親方の言葉「日々の稽古は嘘をつかない」を披露していましたが、これは音楽や他の分野にも通ずる有難い言葉ですね。又、佐田の海の「偶数月の稽古でここまで来た」というのも、深く頷けます。 名古屋場所では、朝乃山が1年ぶりに3段目からの復帰。夏巡業も復活するという話を聞きました。出稽古の復活もそろそろでしょうか。7月場所に、大きな期待を残して、国技館からしばしお別れです。どすこい!
的を得ている事だらけで、(米谷さんの文体を拝借して)「オー・マイ・ゴッド!」。作者の米谷さん、ロサンゼルスにお住まいなのに、全く知らずに今日まで過ごして来た事に、呵責の念に苛まれています「アイ・アム・ソーリ」。98年に、女流文学賞を受賞した本作品。文章の切れとテンポ、関西弁と英語日本語のうま〜い共存、どれを取っても最高です。どん底の苦しみも、笑いに変え強く生きていく、主人公とその家族。米谷さんご本人の人生経験がベースの小説だと思うのですが、ドロドロしていなくて、とても爽やか。解決の糸口が見えない、家族のしがらみに絡みとられている貴方。必読ですよ!解決は望めないかも知れないけれど、気持ちがスキッとなる事、請け合いデス。「ハバ・ナイス・デイ!」