Japanese Blog (日本語のブログ)

琴奨菊関、がんばれ! 1/23/16 January 23, 2016

日本中の皆さんが、連日大相撲の成り行きに集中していらっしゃる事と思います。遠いここロサンゼルスからも、毎晩(時差17時間のため、相撲中継は夜11時から午前1時)熱く応援しています。琴奨菊関の何とカッコ良いこと・・昨日の勝ち星のあとなど、もうすべてを超越しているような表情でしたね。想像に余りあるプレッシャーの中、持ち技のがぶり寄りを武器に、速攻で相手を撃墜。北の湖理事長も、天国から、連日の熱い相撲と満員の国技館の状況に、微笑んでいると思います。これこそ、「土俵の充実」ですね。千秋楽の今日、自分を信じて(これは本当に舞台で演奏する我々にも当てはまること。ステージの上で、ソロのコンサートを暗譜で弾き終えるというのは、大変な喜びとともに、自分を信じなければ、出来ないことです)、最後の勝負に迷いなくすべてをかけて下さい。今晩の大相撲中継に備え(途中で眠ってしまわないよう!)、体調を整えます。

Trois トロワ 石田衣良 佐藤江梨子 唯川恵  角川書店 1/23/16 January 23, 2016

3人の作家による、3人の話。ストーリーを引っ張っていくテンポがとても良い!三角関係という陳腐な言葉では表現出来ない女二人、男一人の愛憎物語。はっきり言ってドロドロ状態とも言える関係なのだけど、それをそういう観点から見ずに、不思議な立ち位置で見ている。この小説は、一つ前に読んだ石田衣良さんのリバースとは正反対の、超現実的な設定で(私にとっては)、その中で遊ぶ、楽しさかなあと思う。どんどん読めてしまう、エンタテインメント小説だ。

Reverse リバース 石田衣良 中央公論社 1/23/16 January 23, 2016

これは本当に新しい、そしてとても素敵な恋愛小説だ。登場人物も最高だし、設定もお洒落でいながら、現実的なところが良い。誰だって、話を聞いて欲しい。辛い気持ちを、聞いて欲しい。そして、横にいてくれる人が欲しい。ネット恋愛という、狭い世界では語る事の出来ない、大きな愛。深夜のメールのやり取りは、何故か深夜のラジオ放送を感じさせる。ネットで発生した関係が、現実の世界とマッチし、でもネットでの関係も継続させるという、カッコ良すぎないのが良いかなあ。テンポも良く、一気に読むこと間違いなし。

骨音 池袋ウエストゲートパークIII  石田衣良  文春文庫 1/3/16 January 4, 2016

これは、旅行中に読んだ最後の本。誰でもマコトのファンだろうけど、ご多分に漏れず私もです・・ 勝手にイメージを膨らませて、マコト像、作ってます。現実にある「池袋」という町から、これだけ想像力をふくらませて、ストーリーを組み立てる作家という職業、本当にすごいですね。下町版・ジェームス・ボンドとでもいう、マコト。池袋のキング、タカシ。それを囲んで、役者ぞろい。チョイyakuza調の、テンポの速い文体。元気のない貴方は、ぶっ飛ばされてしまうかも、よ。あっという間に、読んでしまいました。

緑の毒 桐野夏生  角川書店 1/3/16 January 4, 2016

これも、旅行中に読んだ一冊。最近行った、日本語のブッククラブで話題になっていた本です。以前読んだけど、記憶から消えていたので、再び読んだ。桐野さんの本は、いかにドロドロしていようとも、いつもカッコ良い。そして、幾重にも重なる人間関係、ストレートでない物の見方、歯切れの良いテンポなど、読者を魔物のように引き寄せる、んですね。私も、彼女の毒牙にかかっています。とっても現実的でないのだけど、身近に感じる本。是非読んでみてね。

白銀ジャック  東野圭吾  実業日本文庫  1/3/16 January 4, 2016

旅行に出ると、必然的にいつもより本を読むんですね。アメリカは広いので、ちょっとしたフライトでも4-5時間かかるので、という訳で、これはクリスマスの旅行中に読んだ本の一冊。私は、東野さんといえば、「手紙」とか「赤い指」とか、じーんとくる人情ものが好きです。白銀ジャックは、犯人が見え隠れするけど、のほほんと分かるかな??という、推理・サスペンス・社会派ストーリー。私的に言えば、ちょっとお話に無理があるかなあと、いう印象です。でも、長い空の旅、楽しませてもらいました。

今夜は心だけ抱いて 唯川恵  12/26/15 December 26, 2015

これって、今流行りの「入れ替わり」なのか・・と、最初思ったけれど、とんでもない!とても深いお話しでした。久しぶりに本を読んでいて、泣いてしまった。子供を捨てて離婚した、仕事に生きる母。母に捨てられたと思ってちょっとひねくれた娘。ありふれた出だしだが、それがとんでもない方向に展開していき、人間の包容力、優しさ、愛する事の意味へと、深く進んでいく。お薦めの一冊だ。

今夜 誰のとなりで眠る 唯川恵 集英社 12/26/15 December 26, 2015

これは青春小説かもしれないし、とてつもない恋愛小説かもしれない。「秋生」という常人離れした存在を囲みながら、皆が彼を深く愛する。そして彼の言葉で、それぞれが人生を見直し、背中を押してもらって、次のページに進んでいく。秋生は偉ぶらない。でも、心に突き刺さる言葉を紡ぐ。素敵なお話しだと思う。

肩ごしの恋人  唯川恵 マガジンハウス  11/29/15 November 29, 2015

最初読み始めた時は、今風のトレンド小説かって軽く思って、読むの辞めちゃおうかな、と思った。ちょっと林真理子のバブル期の小説風で・・でも読み進めて行くうちに、とことん本の虜になってしまった。面白トリオが主人公で、まあちょっと現実離れした設定なんだけど(まあそこは、おいといて)、トリオの一人一人が呟く、本音が良い。周りの男共が、良い。「君って、旦那を愛しているんじゃなくて、結婚を愛しているんだね」これなんて、もう沢山の女性が陥っている、どうしようもない真実ですね。自分の心の声に正直になるって、他人との摩擦も多いけど、背筋がピンと伸びていて素敵。

学問  山田詠美 新潮文庫  11/26/15   November 26, 2015

作家っていうのは、本当にすごい!これは、いつも書いている事だけどね。こんな素敵なお話しを、頭の中で生み出してしまうんだから、もうそれは大尊敬、大敬服です。主人公4人組の名前の付け方も、最高だし、それぞれの個性も、イカしてるんですね。人生って何だろう、とか、幸福とは、とか、そんな根源的な答えが、凝縮して、かつファンタジーのようなお話しの中に詰まっている。子供が成長していく物語だけど、どの世代が読んでも、涙あり、笑いありで、読んでしまうと思う。主人公達が、私と一緒に成長し、暮らし、悩み、怒り、笑っているような気にさせてくれた。是非お薦め!