Japanese Blog (日本語のブログ)

まほろ駅前多田便利軒  三浦しをん 文芸春秋社 2/16/16 February 17, 2016

三浦しをんの本、2作目。「月魚」でも書いたように、私はすっかりこの人の世界にはまってしまっています。まずこの作家、大天才的に、登場人物を命名する。この本の中の、行天春彦や三峰凪子、とか、「月魚」の真志喜や瀬名垣。名前だけで、もうぐぐっと来てしまう、すごさ。確かこの本、直木賞受賞しているんですよね。「賞」を取っても、その後鳴かず飛ばずの作家もいますが、三浦しをんさんは、すごいことになると思います。いまでも、すごすぎるけど、ね。この本について、何からお話しして良いやら・・「寅さん」的な、人情ものとも言えるんだけど、発想がぶっ飛んでいるし、文章の切れが最高。是非是非、読むことをお薦めします!これからしばらく、この作家の「追っかけ」になる、私です。

月魚  三浦しをん   角川文庫  2/16/16 February 17, 2016

余りの美しさに、ほろろとさせられてしまう小説。最初はこの作家の事を知らず、てっきり男性かと思ってしまうほど、男性愛の耽美性に引き込まれてしまった。情景、文章、すべてが独自のテンポの中で、ひそやかに、そして大胆に、表現されている。いっきに私はこの作家のファンになってしまった。谷崎純一郎を彷彿させるような、それでいて、とても現代。小説家って、本当にすごい。

カンタ 石田衣良 文芸春秋  2/8/16 February 8, 2016

この題名を読んで、どれくらいの人が、内容を想像できるだろうか。この本は、「トムソーヤの冒険」かもしれないし、「コンチキ゚号漂流記」かもしない。でも、もっと大スケールのスペクトルだ。カンタと耀司の、デコボココンビの、歴史。最近読んだ本の中で、最高の位置にあると思う。これ、本当です。涙してしまうこともしばしば。男女間の愛情ではない、真の愛を描く、意欲作。是非読んでください。

6Teen シックステイーン 石田衣良  2/7/16 February 8, 2016

高校生になった四人組。それぞれに個性大全開で、日常の出来事をカッコ良く乗りきっていく。文章の「キレ」がとてもよくて、どこどこ引込まれてしまう。石田さん、流石、流行作家。「もんじゃ焼き」が中心の毎日で、そこにさまざまなアクセントが追加されて、高校生の暮らしとしては、とてもカラフルだ。一つ一つのエピソードが丁度よい長さで、現代人のライフスタイルにぴったり。まあ、読んでみてください。

雑誌「相撲」 ベースボール・マガジン社  2/7/16 February 7, 2016

相撲ファンとして欠かせない雑誌。ほとんどすべての記事を、きちんと心を込めて読んでいます。毎号いろいろな特集記事があり、とても面白いんですね。「ウルフの一刀両断」も好きなコラムの一つ。また、部屋ごとの情報や、幕下の力士など、普段なかなか知り得ない情報も、とっても良いです。毎月楽しみにしています。

蜂蜜と和食  1/23/16 January 23, 2016

ご存じのように、私の趣味は料理。いつも楽しくキッチンに立っています。健康もとても大事、だけど美味しさはもっと大事。和食の調理には、甘味が欠かせないけれど、私としてはお砂糖は取りたくない。という訳で、最近は和食の甘味に蜂蜜を使っています(メープルシロップも試してみたけれど、和食には向かないかも。洋食系にはグッド。)。蜂蜜を入れると、とても美味。ひじきの煮物にもよし、豚肉の生姜焼きにもよし、白菜と豚肉の煮つけにもよし、という訳で、ほぼ万能といえます。味にまろやかさ出て、ほんのりとした甘さで、とても気に入っています。白米、白糖、漂白した小麦粉など、使わなくなって久しいですが、やせがまんしないで、だけど健康的というのが、ストレスフリーで、最高だと思います。一時期、豚・牛の挽肉の代わりに、大豆から作られたベジタリアンのものを使っていたけれど、やはり味に限界があるのと、人間には肉類が必要なのだと確信して、辞めました。食は命の源、楽しく、かつ健康に取りたいですね。

琴奨菊関、がんばれ! 1/23/16 January 23, 2016

日本中の皆さんが、連日大相撲の成り行きに集中していらっしゃる事と思います。遠いここロサンゼルスからも、毎晩(時差17時間のため、相撲中継は夜11時から午前1時)熱く応援しています。琴奨菊関の何とカッコ良いこと・・昨日の勝ち星のあとなど、もうすべてを超越しているような表情でしたね。想像に余りあるプレッシャーの中、持ち技のがぶり寄りを武器に、速攻で相手を撃墜。北の湖理事長も、天国から、連日の熱い相撲と満員の国技館の状況に、微笑んでいると思います。これこそ、「土俵の充実」ですね。千秋楽の今日、自分を信じて(これは本当に舞台で演奏する我々にも当てはまること。ステージの上で、ソロのコンサートを暗譜で弾き終えるというのは、大変な喜びとともに、自分を信じなければ、出来ないことです)、最後の勝負に迷いなくすべてをかけて下さい。今晩の大相撲中継に備え(途中で眠ってしまわないよう!)、体調を整えます。

Trois トロワ 石田衣良 佐藤江梨子 唯川恵  角川書店 1/23/16 January 23, 2016

3人の作家による、3人の話。ストーリーを引っ張っていくテンポがとても良い!三角関係という陳腐な言葉では表現出来ない女二人、男一人の愛憎物語。はっきり言ってドロドロ状態とも言える関係なのだけど、それをそういう観点から見ずに、不思議な立ち位置で見ている。この小説は、一つ前に読んだ石田衣良さんのリバースとは正反対の、超現実的な設定で(私にとっては)、その中で遊ぶ、楽しさかなあと思う。どんどん読めてしまう、エンタテインメント小説だ。

Reverse リバース 石田衣良 中央公論社 1/23/16 January 23, 2016

これは本当に新しい、そしてとても素敵な恋愛小説だ。登場人物も最高だし、設定もお洒落でいながら、現実的なところが良い。誰だって、話を聞いて欲しい。辛い気持ちを、聞いて欲しい。そして、横にいてくれる人が欲しい。ネット恋愛という、狭い世界では語る事の出来ない、大きな愛。深夜のメールのやり取りは、何故か深夜のラジオ放送を感じさせる。ネットで発生した関係が、現実の世界とマッチし、でもネットでの関係も継続させるという、カッコ良すぎないのが良いかなあ。テンポも良く、一気に読むこと間違いなし。

骨音 池袋ウエストゲートパークIII  石田衣良  文春文庫 1/3/16 January 4, 2016

これは、旅行中に読んだ最後の本。誰でもマコトのファンだろうけど、ご多分に漏れず私もです・・ 勝手にイメージを膨らませて、マコト像、作ってます。現実にある「池袋」という町から、これだけ想像力をふくらませて、ストーリーを組み立てる作家という職業、本当にすごいですね。下町版・ジェームス・ボンドとでもいう、マコト。池袋のキング、タカシ。それを囲んで、役者ぞろい。チョイyakuza調の、テンポの速い文体。元気のない貴方は、ぶっ飛ばされてしまうかも、よ。あっという間に、読んでしまいました。