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Book Reviews (マイブック評) 夜離れ  乃南アサ  実業之日本社 4/2/13 April 2, 2013

この短編集は、怪談話集ともいえる。女性の恐ろしい本心や執着心を、紡いだ物語。6つあるそれぞれの短編が、作り話のようであり、現実のようであり、そりゃ、おぞましい。乃南さんの卓越した語り口と構築性が、ファンタジーと皮肉とからまり、素晴らしい短編集に仕上がっている。

Book Reviews (マイブック評) 薔薇恋  渡辺容子  講談社文庫 3/25/13 March 25, 2013

こちらの、渡辺さんのご本は、DVを題材にした不倫物語。こうやって、白馬に乗った王子様が、すべてのDV被害者に現れれば良いけど・・・・この王子様との恋愛部分はともかくも、DVにおける、夫と妻の相対関係は、とても興味深く描かれている。DVにおける激しい暴力と、王子様との典型的な恋愛が、180度の対象におかれ、文章が進む。そして、ご近所に住む一見幸せそうな家庭にも、それぞれに問題を抱えていることが、分かっていく。小説としてはとっても面白いし、男女間の問題をするどく描いているとも言える。けれど、天邪鬼な私には、小説とはいえども、やっぱりこの「白馬の騎士」の部分が、受け入れられない。非現実すぎるので。

Book Reviews (マイブック評) 涙 上・下  乃南アサ  新潮文庫 3/20/13 March 20, 2013

これも、乃南さんの、超美しい恋愛小説だ。しかし、傑作ミステリーとも、サスペンスとも、いやまた、冒険小説とも言える。壮大な冒険は、一途な想いから始まり、そして、涙で、それも悲しさの涙でなく、感情の溢れる、美しい涙で終わる。終盤のクライマックスの、沖縄での豪雨の夜の感情表現は、言葉に出来ないくらい、素晴らしい。我々読者も、あたかも暴風雨の中で、萄子と勝の物語を聞いてる気分に襲われる。ホント、すごい表現力だと思う。

Book Reviews (マイブック評) 左手に告げるなかれ 渡辺容子  講談社文庫 3/20/13 March 20, 2013

江戸川乱歩賞受賞作の本作、すごい期待で読んだのだけど、設定はとても良いものの、文章の運びが時にまどろっこしく感じた。二転三転するドキドキ感もあり、女性保安士が主人公というユニークさはとっても良い。けれど、ちょっと洒落てみようとする表現が、自然でなく、せっかくのリズムを壊している感が、ちょっと残念だった。今後に期待しよう!と言っても、受賞が96年なのだから、もう中堅どころの作家さんなのですね。

Book Reviews (マイブック評) あなた  乃南アサ   新潮社  3/19/13 March 19, 2013

不思議な小説だ。現実とも、ファンタジーとも取れるし、超心理小説とも、オカルトとも言える。どんなカテゴリーに当てはめるにせよ、根底はとても美しい恋愛小説だ。現実に存在する男女間の感情より、深くて、甘い。乃南さんの世界に、ちょっと浸ってみたい気分になった。

Japanese Blog (日本語のブログ) 近況、そして未来に備えて  3/18/13 March 18, 2013

以前にもお知らせしましたが、英語ページのブログは割りと頻繁に書いているものの、日本語ページに関しては、読後感以外は、ほとんど開店休業状態です。英語ページには、コンサートのこと、今勉強している曲について、又、最近行ったコンサートや映画のことなど、折に触れて書いています。最初は同じテーマについて、日本語、英語の両方で書いていたのですが、いかにせん時間に限りがあり、それが出来ていません・・・・今学期は大学で教えている学生が30人いて、又いろいろな演奏のチャンスを頂き、音楽科冥利に尽きるものの、時間に制限が・・言い訳だらけですみません。 最近、私のアメリカでのピアノの先生、ジョン・ペリー氏(日本でも演奏、公開レッスンなどなさっています)が、演奏の舞台から引退するという、お祝いのコンサートがありました。とてもエネルギッシュで、いつも沢山のことをこなしていらした先生なので、「引退」なんて考えもしなかったのでちょっとビックリ。演奏会は素晴らしいもので、ああ・・・高いレベルで弾ける間に引退するのだなあ、と深く感じました。教授活動は今後も続けていらっしゃるようですが。この会で、誰にも、そしてどんな事にも終わりがあるという事を痛感。今を大事に、そして少しずつだけ、未来に備えていかなければならないのだなあと、改めて実感した次第です。仕事も遊びも、人間関係も、明日があるさ、と思っていると、明日がずっと先になって、永遠に理想の明日が来なくなる。という訳で、気持ちを切り替え、出来る範囲で、がんばっている私です。そして、演奏から引退したら、相撲ジャーナリストになりたい、相撲おっかけになりたい、と夢見ています。日本語ページのブログは疎かになりますが、良かったら英語ページも参考にしてみて下さい。日本語ページで比較的良く更新しているのは、フォトギャラリーと、マイブック評。私は、本が大好きで、いろいろな本を読んでいます。

English Blog A Movie “Hava Nagira” 3/18/13 March 18, 2013

It is about recent 150 years of history in Jewish culture and community around the famous song “Hava Nagira”. It is documentary and very funny! Most everyone has heard this song in some occasions even non-Jewish people like me. The movie tells us the journey of Jewish people across the generations all over the world, especially settlers […]

Book Reviews (マイブック評) 北条政子  永井路子 講談社 3/18/13 March 18, 2013

久しぶりの歴史もの。それも、歴史作家のご本家が書いた本だ。政子の本質、そして女性としての視点に迫る、とても面白い本だ。歴史上の話しを、分かりやすく、かつ重厚に書くのは難しいと思う。この本は、その点において、大成功していると思う。次に何が起こるかが楽しみで、ページをめくりながら、平家と源氏の攻防、鎌倉幕府の内情、北条家のしたたかさ、政子の子供たち、孫達をめぐるどろどろとした戦い、などの、史実が明確に書かれている。この辺の物語は、NHKの大河ドラマでも良く取り上げられるテーマで、皆様もよくご存知と思うが、こうして本を通して読み解いて行くのも、面白い。本、大好き。

English Blog Beethoven Piano Concerto No. 4 in G Major, Op. 58, with Pasadena Community Orchestra 3/10/13 March 10, 2013

I will be performing this beautiful concerto with Pasadena Community Orchestra on Friday March 15 at 8pm. The venue will be at First Church of the Nazarene, 3700 E. Sierra Madre Blvd. Pasadena, CA 91107. (www.pcomusic.org) Beethoven’s Piano Concerto No. 4 in G major, Op. 58, was premiered in March of 1807 at a private concert […]

English Blog My 5th “Goldberg Variations” Performance 2/23/13 February 24, 2013

I performed Goldberg Variations for the 5th time this afternoon for Brand Library Music Series. I have to admit I still get pretty nervous before the performance of Goldberg. Mainly, I start thinking about “Memory Slip” even though I have done without any memory slip for the last 4 performances. Oh well, that is the […]