Blog

Book Reviews (マイブック評) ジュージュー 吉本ばなな 文芸春秋 7/19/15 July 19, 2015

これも、「ばなな」絶頂の本。こんなに、日常のさりげなさを、美しく愛おしく出来るんなんて・・素敵な本です。現実には、きっと有り得ないような優しい関係を、きちんと書いて、きちんと読者に提示して。最高!小柄な本が、「ばなな」本にぴったり。登場人物たちが、めちゃ優しいけど、きちんと自己主張して、自分の芯はずれない。まさに、「カッコ良い」。心から惚れてしまいました。

Book Reviews (マイブック評) High and dry (はつ恋)  吉本ばなな 文芸春秋 7/17/15 July 19, 2015

いっとき、「吉本ばなな」離れをしていたので、久しぶりのばなな本!まず、コミック調の装丁が、とっても”とんちんかん”で、カッコ良いけど、美しい文章と全く合ってない、と私はひどく怒っているんです。でも、それが良いのよね、キット。話の展開といい、キラキラした文体といい、完結でさっぱりした気性といい、すべてに私好み。それなのに、このふざけた(ふざけているとしか、言いようがない)、幼稚な挿絵はなんなのだ。読んでいて、ちっとも空想をかきたてないし、悲しくなる。でも、文章は最高。ばななワールドに、すっかり取り込まれてしまった。

English Blog LA Phil: Hollywood Bowl Concert with Narek Hakhnazaryan, cellist 7/10/15 July 10, 2015

If you live in LA, Hollywood Bowl in summer is very special. It is very pleasant in the evening there, and we often enjoy the picnic with friends before the concert. So I did everything in “Hollywood Bowl Summer Package” yesterday! The program (7/9/15) featured Prokofiev: Romeo and Juliet Suite, Tchaikovsky: Rococo Variations with cellist, Narek […]

Book Reviews (マイブック評) 愛のレンタル  田辺聖子  文芸春秋 7/10/15 July 10, 2015

田辺聖子さんの大阪弁、最高~!全くの江戸っ子の私(江戸っ子の定義は、3代以上東京都内に住んでいる事らしい。と、これは、アメリカ大使館にお勤めの、アメリカ人に聞いたんだけどね。)には、この威勢の良い浪速言葉、それはそれは、とても素敵なのだ。東京の、早口で、しらっけたしゃべりとは、本当に違う。いつもながら、田辺ワールドに、しばし惹きこまれた私でした。大阪弁のニュアンスで、短編が進んでいくのも、とっても面白い。いろいろな男女が、魅力いっぱい、紙面いっぱいに、飛び回る。大阪の美味しそうな食事が沢山出てくる。もう、最高!元気、って、本当に良いことです。

Book Reviews (マイブック評) ソング・オブ・サンデー  藤堂志津子  文芸春秋 7/10/15 July 10, 2015

今でいう(私の日本語は、約20年前に日本を出てから成長を止めているので、古臭いのです。今でも、良くJRの事を国鉄と言うくらい!)、アラフォーのカッコ良さかなあ。自然でいて、とっても背筋がのびてて、周りに流されない生き方。藤堂さんって、そういうのを書くと、とても上手いと思う。何でもない日曜日のドライブが、人生を反映する、重大な時になっていく。本当に何でもない、どこにでもいるような男女が、ある日曜日を通過して、キラキラして素敵なカップルなんだぞ、っていう事になる。つまり、誰にでも、キラキラ**の可能性があるってこと。読んでみたいと思わない、この本??

Book Reviews (マイブック評) アカシア香る  藤堂志津子   新潮社  7/1/15 July 1, 2015

読者(つまり、私)を、ぐいぐい惹きこみ、あっという間に読んでしまった。優しい、ほっとする、小説。そして正義まっしぐら、人情厚く、羨ましい限りの友人関係。そしてカッコ良い女を描ききっている。北海道を美しく讃えるのも忘れていない。

Book Reviews (マイブック評) 放課後の音符  山田詠美   新潮社 7/1/15 July 1, 2015

すっごい本!!本当に。山田詠美の才能の大きさって、半端じゃないよね。この本は1989年に出版された、いわばひと昔前の本。だけど、とても新鮮で、表現の古さが全くない。つまり、バブル崩壊の前の世界だよ。心奪われた文章が沢山あるのだけど、例えば 「まつ毛の上に雨が降っているように、瞳だけで泣いている。」「シーツのしわが、そのまま五線紙になって、それを柔く蹴とばす足先が、やさしい調べを奏でるような、そんな時間など、決して持てる筈がない。」「潤んだ大きな瞳でただひたすら、彼を見ていた。私は、その瞳に膜を張る湿り気が、その内、涙を形成って落ちて来やしないかと、人ごとながら心配になってしまった程だ。」「本当の大人の赤い唇って、絵の具箱の中のあの色みたいにあどけないんだ。」「人間が生きて行くことに限って言えば、塩と胡椒は、甘い味つけをするためにある。」素敵でしょ。本当、とってつけた表現が全くない。まだまだ沢山あるので、とにかく本を読んで下さい。それと、漢字と平仮名のバランスがとっても良い。ああ、すっかりハートを奪われた私です。

Book Reviews (マイブック評) クロイツエル・ソナタ  夏樹静子  講談社  6/28/15 June 28, 2015

この題名、ちょっと素敵だと思いませんか。特に、音楽家の私には、ビビッと来ましたね。だけど、東野さんや、宮部さんの推理小説に慣れ親しんでいる私。夏樹さんには、大変申し訳ないけれど、一つ物足りなさを、感じ得ませんでした。本当にごめんなさい。ストーリーの根底にある、怨念や複雑化した養子問題などが、良い伏線を張りそうなのだけど、何故か、余りストーリーに入り込んでいけないんですね。文章も良いのだけどね・・読者をぐいっと、引っ張ってくれない、なんて贅沢な悩みを語っています。きっと、私自身の問題なんでしょう。

Book Reviews (マイブック評) ジェントルマン 山田詠美 講談社 6/28/15 June 28, 2015

何たって、文章が美しい。お話の内容としては、一人の目立たない青年が、非の打ち所がない青年を愛してしまう。そしてその仮面の下に隠されたモンスター性に気付いた時から、その彼の愛の奴隷になるというものだ。究極の愛を奏でる。そして、最後にとてつもない幕切れが訪れる。テンポといい、ストーリー展開といい、人物の描き方といい、本物だと思う。ああ、こういうのを、小説と言うのだなあ、と思わせてくれる。長く、日本小説界のトップを走り続けている山田詠美さん、理由が心底わかりました。

English Blog A Movie “Woman in Gold” 6/21/15 June 21, 2015

I truly enjoyed this movie because I am a great fan of Klimt’s paintings and the movie is based in LA where I live! Maria Altmann (Helen Mirren), an octogenarian Jewish refugee, who settled in LA after she fled from Nazis Austria, takes on the Austrian government to recover artwork she believes rightfully belongs to her family. […]