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English Blog Living with Beethoven’s Life 1/21/19 January 21, 2019

I am focusing on Beethoven’s music in the 2018-19 season. I was little overwhelmed few weeks ago preparing so many Beethovens! I just performed Beethoven’s 3 cello sonatas, and will perform Beethoven’s 3 piano sonatas in February. It was almost “miracle” that I started to feel comforted once I passed the stage being overwhelmed. Beethoven’s […]

Book Reviews (マイブック評) タンノイのエジンバラ 長嶋有  文藝春秋 1/21/19 January 21, 2019

人生の一コマを切り取り、それを丁寧に描ける作家、長嶋有さん。4編の短編からなるこの本。どのお話も、もしかすると、見逃してしまうかもしれない、だけど、とても大事な、とても苦しい、だけど、とても素敵な、そんな人生の一コマを、描いている。オンラインに翻弄される時代、こういった時間空間が、とても貴重で、特別だ。オンラインの生活が普通になってしまった現在、情報も溢れ、ちょっと素敵なウェッブページも平凡になり、人は次から次へと「興奮」を求める。「自分であること」を持ち続ける大変さもあるけど、それが出来た人が人生の光を見つけて行くと思う。そういった方向性を差し出してくれる、本です。

Book Reviews (マイブック評) 夕子ちゃんの近道 長嶋 有 新潮社 1/8/19 January 8, 2019

私も日本に居た頃は、行きつけの居酒屋があって、何となく仲間が集まって、家族っぽくなったりして居た。日本的な空間というか、空気感というか、チマチマと言うと語弊があるかもしれないけど、半径10メートルくらいの中で起こる日常が、描かれているこの本。片側が5車線くらいあるフリーウエーがバーンと走っているアメリカ暮らしの中にいると、遥か彼方の物語に見える。とっても、素敵なのだけれども。日本人にはやっぱり「裸の付き合い」とか、「隣組」とか、「町内の回覧板」とか、が似合うなあ。だjけど、日本に帰国する度に思うのは、ちょこっと旅人で行くと、町はごちゃごちゃしているものの、「人間味」とか「温かみ」に触れるのは困難だと言う事。以前にも書いたけど、「故郷は、遠くにありて思うもの」とは、言い得て妙。日本の友人たちからも、「家族」の難しさについて聞かされるし・・・映画「万引き家族」然り、血の繋がりとは関係ない密な関係が、求められている時代なのだろう。「夕子ちゃんの近道」でも、そんな寄集めの集団での、「暖かい」人間関係が描かれている。(追伸:大雑把に見えるアメリカ社会だけど、家族の絆は強いし、家族を皆本当に大事にして居ますよ。)

Book Reviews (マイブック評) 猛スピードで母は 長嶋有 文芸春秋 1/2/19 January 2, 2019

カッコ良い、お母さんだ。それも飛び切りの、カッコ良さ。そして、自分の信念を曲げない。「我が道」を行くのだけど、決して我儘ではない。離婚して、男友達だっている。結構、モテるのだ。そのお母さんが大好きな慎が、「母」の事について語る小説。「母」はいつも、猛スピードで車を走らせる。

Book Reviews (マイブック評) 想像ラジオ いとうせいこう 河出書房 1/2/19 January 2, 2019

不思議な、そしてとても現実的な、哀しくも、愛おしい話。東日本大震災の亡くなった方々の会話が、想像ラジオで流れるというもの。死者と生きている者とを結ぶ橋が、どこにあるのか。もしくは、ないけれど、それを心愛おしく思うのか。死者の世界って?この世界の人間が行った事のない黄泉の世界の声を、代弁してくれる小説である。人間の「想像」という力は、すごい。これこそ、人間たりうる能力で、動物にないもの。私自身、空想癖があるし、想像の世界で楽しむのが好きである。黄泉の世界の想像ラジオ、ご興味があれば、是非この本を紐解いて欲しい。

English Blog A Movie “Capernaum” 1/2/19 January 2, 2019

I saw this movie just before Christmas. “Capernaum” blurs the line between fiction and reality. The performers are not acting. They are real people, like the characters in the movie. The movie is from Lebanon, and directed by Nadine Labaki. The movie starts with the scene which a 12 years old, Zain (Zain Al Rafeea), […]

English Blog Christmas Prayer 12/24/18 December 24, 2018

Holy God of love, we rejoice in the reality of who you are. We live within the joy of your love for us. Our contentment comes and goes. Our happiness ebbs and flows. Our feelings depends upon our circumstances, but our joy is deeply rooted in our identity as you beloved children.  We give you […]

Book Reviews (マイブック評) 人のセックスを笑うな  山崎ナオコーラ 河出書房新社  12/24/18 December 24, 2018

このタイトルから、内容をスキッと当てられる人は、まずいないでしょう!この本は、究極の恋愛小説です。ただし、きっと「21世紀の」というのを、付け加えた方が良いかも・・・ひと昔前に、「神田川というフォークソングが、大流行しましたね。その世界感が、大きく変換して、現代版年の差恋愛という小説になった、と想像してもらえれば、良いかと思います。恋愛にルールなし。十代後半からの2年間を、一緒に過ごした20歳年上の女性。その彼女、それこそエキセントリック。恋愛を経て、成長したとか、大人になった、いう陳腐な事ではなく、「恋愛」が与える心の輝きを描いたという事だと思います。テンポの良い文体と、ページの中に見つける隙間が、素敵なコラボ!まさに、究極の恋愛小説ですよ。

Book Reviews (マイブック評) 美しい距離 山崎ナオコーラ  文藝春秋 12/24/18 December 24, 2018

作者の目標は「誰にでも分かる言葉で、誰にも書けない文章を書きたい」との事。この本、人の死を作者の目標通りに書いていると思う。私自身、今年も若い友人を癌で失った。彼女、13歳の子供を残して、この世を去って行った。「美しい距離」は、若くて、仕事バリバリの妻が末期の癌と診断され、それを夫が看取って行く話しだ。「癌」という病の持つレッテルに反発し、夫は自分達らしさ、彼女らしさを、強く求めて行く。そして、病いの妻を思うあまり、考えすぎ、空回りをしたりもする。それを妻が、逆にさり気なく、窘めたり。毎日、少しずつ「死」に向かって行く妻が、とても素晴らしく描かれている。そして、夫の深い愛情も。思わず、涙してしまう、小説ですよ。

Book Reviews (マイブック評) ポトスライムの舟 津村記久子  講談社 12/24/18 December 24, 2018

本作品は、第140回芥川賞を受賞。大きな文学賞というのは、何だかんだと言って、やっぱり「本を手に取る」、大きなキッカケになると思う。若手の出発地点にもなるし、中堅の作家の、長年の仕事への集大成にもなる。「ポトスライムの舟」は、作者ご自身の経験によるらしい。美しさに焦点を当てる手法ではないけれど、文章が輝いていると思う。そして「自分だけの世界」「自分だけの喜び」から、他人を受け入れ、愛して行く過程(男女間の愛ではなく)が、自然に書かれていて、とても良い。他人に何か出来る喜び、これは「人」である事の原点、そして「幸せ」になる入り口だと思う。だって、他人の喜びを嬉しい!!と感じられれば、人生が数倍も楽しくなるから。毎日の暮らしに張りが持てないのなら、是非この本を読んで見たら良い。日々の暮らしに、これだけ素敵な事が隠れていたかを実感出来るはず!