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English Blog 3rd@1st Concerts: Wildfire Relief Fundraiser Chamber Music Fest “Souvenirs from Prague” January 17, 2025

3rd@1st Concerts: Chamber Music Fest “Souvenirs from Prague” – Wildfire Relief Fundraiser – Saturday January 18, 2025, 4pm First United Methodist Church of Pasadena 500. E. Colorado Blvd. Pasadena, CA 91101 Exceptional musicians from Los Angeles Philharmonics and pianist Junko Ueno Garrett will perform Martinue’s innovative Trio for flute, cello and piano, Popper’s beautiful Requiem […]

Book Reviews (マイブック評) 夏物語 川上未映子 文春文庫 December 26, 2024

日本滞在中に買った本。川上未映子さんの本は一度も読んだことがなく、今回初めて。文章にキレがあって、かつとてもスムーズだ。言ってみれば、とても自然体で、しつこくない。重いテーマなのに、それを感じさせずに、何故か主人公の生活の中にしっくりと溶け込んでしまった。子供を持つという事を、こういう観点から描いた小説は、他にないのではないだろうか。強く、でも肩肘張らずに、自分ときちんと向き合う夏子。愛に溢れている夏子。病気で床に臥せっている時に、何故かズンズン読み進めた一冊である。最高にカッコ良い夏子に大拍手!

Book Reviews (マイブック評) マスカレード・ゲーム 東野圭吾 集英社 December 9, 2024

東野さんの御本は、もう数えきれないくらい読んでいるけれど、一度として失望した事がありません。この本も、マスカレードのシリーズですが、なかなか面白いですよ。テンポが良く、登場人物が生き生きとしています。もちろん、推理小説ですから、謎も二転三転としながら、自分もホテルの宿泊者になって、犯人探しに加わっているような気分になります。東野さんの小説は、必ず「人間」を描いています。マスカレード・シリーズも、華やかなホテルを舞台に、人間模様が展開するとても面白い小説だと思います。是非、お読み下さいね!

Japanese Blog (日本語のブログ) 北の富士勝昭(1942ー2024)さん、長い間ありがとうございます! November 20, 2024

  昭和、平成、令和と相撲界を牽引した北の富士勝昭(1942ー2024)さんが、お亡くなりになりました。一相撲ファンとして、NHKの相撲中継での解説に、毎回心踊らせていました。ターゲットにしていた力士をおちょくりながらも、暖かい相撲愛で、舞の海さんと、丁々発止でやり合っていましたね。自身が横綱で、そして二人の大横綱を育てた相撲人は、北の富士さんをおいて他にはいないでしょう。そして、これからも出てこないと思います。とてもオシャレで、着物着て良し、スーツを来てもカッコ良く、又カジュアルな服装もとてもお似合いでした。心より、ご冥福をお祈り致します。

Book Reviews (マイブック評) 西加奈子の本 2冊 「窓の魚」「夜が明ける」  November 2, 2024

「窓の魚」 読んでいる間、「耽美」という言葉が胸の中でエコーしていた。これは恋愛小説なのだろうか。それとも、猟奇的?それとも? 西さんの「サラバ!」「さくら」「あおい」などのファンの私にとって、方向転換をさせられる作品でもあった。それぞれに凄まじい個性の4人が、人里離れた日本旅館で過ごす、ほんの一夜の物語。彼らが過ごした日本旅館に連れて行ってもらったかのような、実に写実的な作品である。 「夜が明ける」 これも西さんの新しい作品の一冊。正直に言うと、私は時に嘔吐を催すくらい、辛いシーンが多い作品でもある。現代の問題を問い、現実を直視しそれを表現しようとする試みは、とても良く分かる。その過程で、醜さ、不公平、不平等も表現していかなければならないとも思う。しかし、このような辛い思いをしてまで、読書をする意味があるのか、と考えてしまうのも、正直なところである。根底にある、というかこの本の焦点である「友情」に、気持ちが行かないこともあった。辛さゆえに、放り投げてしまうこともしばしばで、読破するのに本当に長い時間がかかった。

Book Reviews (マイブック評) プリンセス・トヨトミ 万城目学 文藝春秋 September 28, 2024

一度読んでみたいと思っていた、万城目学さんのご本。ついに手に取りました!彼の小説は、「ファンタジー」というカテゴリーに入るらしいのだけど、小説は一般的に「フィクション」な訳ですから、「ファンタジー」の捉え方が、イマイチはっきりしない私です。SFとも違い、やはり「日常的に起こり得ないことを題材にする」とでも解釈すれば良いのでしょうか。本とは関係のなさそうな問題点なのですが、私にとってここが重大ポイントなんです。 このお話しには、2点異なる設定があり、その一つが会計監査院という国が予算が正しく使われているかをAuditとする機関、そしてもう一つが大阪を舞台とする歴史ファンタジーとも言うべき浪速の人達とその心意気、である。登場人物とその描写、人間関係の葛藤などは、とても面白く読むのだか、何故かこの2つの設定が接近し、交わってくると、私には何故か面白さが半減してしまう。スーパー現実とスーパー非現実が、私の中で相容れないのかもしれません。想像力の欠如かもしれないし・・という訳で、こういう「ファンタジー」物、私は苦手な事が分かりました。でも万城目さんのご本にハマる人は多いと聞いているので、これは単に個人の問題かと。どうぞ、皆さんも手に取ってみて下さいね。食わず嫌いにならないように!

Book Reviews (マイブック評) 古くてあたらしい仕事 島田潤一郎 新潮文庫 August 28, 2024

この本は、日本滞在中に必ず訪れる「青山ブックセンター」で、私の目に留まった本。本好きには、たまらないエッセイ集ではないだろうか。「ひとり出版社」という言葉があるのを、この本で知った。島田さんの経営する会社、「夏葉社」がまさにそれで、島田さんは、会社を立ち上げた当初から、一人で全てをこなしている。ご自分の作りたい本、ご自分が信じる本作り。大きなビジネスではないけれど、「仕事」として、自分と家族を養う収入源というコンセプトだ。とても緻密でないと、出来ないと思う。そして、心配りが出来る事。そして、その心配り、優しさに、重きをおける事。「本を読む」意義について、島田さんは随分と紙面を割いて語っていらっしゃるが、私の気持ちとして、それの全てに同意する事はない。でも、おっしゃっている事は、とても分かる。現代のスピード感覚、ネット社会で、我々は必要のないところで神経をすり減らし、それに気づく時間も持てぬまま、時代の波に押し流され、とても疲れている。島田さんのご本の中で、本を読む、本を作ることだけでなく、生きる指針の端っこを見つけられるかもしれない。 ふと、アメリカで、夏葉社のような本作りはあるのかなあ、と思った。何故かと言えば、とても日本的で、そして日本人にあった趣きに感じたからだ。

Book Reviews (マイブック評) さくらえび さくらももこ 新潮文庫 August 28, 2024

この本は、「クラシック」の仲間入りと言っても過言ではないと思う。もしくは、一家に一冊、以前の「家庭の医学辞典」のような本ではないだろうか。日常のさりげない出来事を、笑いに変えて、世代を超えて我々読者を楽しませてくれる。父ヒロシ、息子、母、お馴染みの登場人物が、紙面いっぱいに活躍する。枕元に一冊置き、どんな一日であったにせよ、この本を開き一つエピソードを読む。まさに「チチンプイプイ」。肩の力が抜け、悩んでいる事が、どうでもよくなるかもしれない。是非、お読みください。さくらさんは深く惜しまれて夭逝なさったけれど、我々を楽しませるために、ご自分の身を削っていたのであろうか。

Book Reviews (マイブック評) 52ヘルツのクジラたち 町田そのこ August 11, 2024

この本は、日本からの帰りの飛行機で読みました。52ヘルツの声で話すクジラたちがいると言う。その声は、余りに高く、仲間のクジラには聞き取れない。つまり、誰にも言っている事が分かってもらえないという事。だから、仲間に入れてもらえず、常に孤独。全てから「サヨナラ」する覚悟で、祖母の残した田舎の家に越してきた貴瑚が、自分を投影する少年「ムシ」に出会う。彼らの声は、クジラ界の52ヘルツ。誰にも届かない。でもそれで良い訳がない。辛い虐待問題が、根底に流れ続ける。でもそこに僅かな光が差し、その光が段々と明るくなっていった。愛を欲する人間が、裏切られ、傷つき、強くなり、幸せの入り口を見つけていく。2021年の本屋大賞、第1位。

Book Reviews (マイブック評) わたしの美しい庭 凪良ゆう August 11, 2024

登場人物が、それぞれの章で、自分を語っていく。「幸せに決まった形なんてないんだから。」登場人物の一人、神主の「統理」の言葉です。この言葉に要約されているかなあ、この本。 屋上庭園を舞台に、その隣にある「縁切り神社」御建神社がキーポイントとなり、人間模様が繰り広げられる。屋上庭園の下は、神社が経営するマンション。そこの住民、皆、何か過去があり、問題がありで、時には、「縁切り」をお願いする事もある。こんなシェア・ハウス的生活、良いなあ、と思わせてくれる。凪良ゆうさんの独特の視点で語られる、幸福のあり方。私は、好きです。