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私は、いったん一人の作家に傾倒すると、その方の本ばかりを読んでしまう癖がある。町田そのこさんが、私にとっての「今」の作家になる。今日ご紹介する3作とも、とても読み応えがある!「宙ごはん」は、食をめぐって、家族(血が繋がっていても、いなくても)のしがらみと優しさを、それは素敵に描いている。育ての親(ママ)と産みの親(お母さん)との関係、そこに凄腕シェフの佐伯さんと、優しい微笑みが紙面からも伝わってくる家政婦の田本さん。佐伯さんは、凄みの効いた顔に、髭面だ。登場人物が、紙面から飛び出してくるように、生き生きしているのも、町田さんのご本の特徴だ。人生には、いくつもの正解がある。規制の観念に囚われる恐ろしさ、そしてそれを守る故に大事な幸せを逃している人。沢山、いると思う。この本を是非読んで頂きたいです。一度、頭をまっさらにして、主人公、宙ちゃんになってみては? 「夜明けのはざま」、この本は優しい口上で、どんどんと私達の心に切り込んで来る。楓子、なつめ、サクマの3人の女性、最高の友人達だ。この3人が、様々な道を辿り、お互いを分かり合おうとし、時には強烈に批判し、人生を切り開いていく。まさに、女の戦場だ。自分に正直であろうとすると、いつも道は険しい。険しさを選ぶのか、それとも自分を殺すのか・・この3人を取り巻く男性軍は、時には大袈裟すぎるテライがあるけれど、これは小説だ!それで、よし!「自分に正直であること」、これは、時には周囲に迷惑をかける事もある。いろいろ考えさせられる、小説だと思う。 「あなたはここにいなくても」は、短編集。それぞれの短編が、とても大事な人を語っている。その大事な人の事を考える事によって、今の自分に立ち返る機会をもらっているのだ。人はいつも強い訳ではない。でも、必ずどこかに強さを持っている。意固地になる事もあるし、わざと大事なものから目を逸らす事もある。我々は、一筋縄ではいかない。だから、人間やっているのは楽しい。時には、破茶滅茶にもなるし、しとやかな令嬢にもなる。それが、人間だ。短編のどこかに、我々が探している答えが見つかるかもしれないし、見つからないかもしれない。是非、お読み下さい。
こんにちは!いつも動画レッスン・演奏を見て下さり、ありがとうございます。7月25日7時より東京で、楽しくて、美しい、スペイン抒情溢れる曲を集めたコンサートを、開催致します。「平河町ミュージックス in 神田」という、とても素敵な会場です!そして演奏させて頂くピアノは、「サントリーホールの1号機ピアノ」、として長い年月サントリーホールで演奏なさる沢山のピアニストと共に歩みんできた、特別な楽器になります。又、サントリーホールの音響を担当なさり、世界的な音響設計家の豊田泰久さんが、このコンサートの演奏に当たり、音響アドヴァイスをして下さいます。お話しを入れながらの「スペイン音楽の旅」、どうぞ宜しくお願い致します! “Musica de España: Life and Music in Spain” Danzas Españolas Op. 37 (1890) Enrique Granados 1. Minueto 5. Andaluza 6. Rondalla aragonesa La Danza Española No. 1 from La Vida Breve (1905) Manuel […]
ああ・・・大の里、横綱!もちろん全勝で締めるのが一番だったでしょうが、豊昇龍が意地を見せて、大の里に宿題を残したところが良かったと思っています。これから毎場所、この二人の横綱対決が楽しみですね。稀勢の里、引退して6年目に、横綱を送り出し、本当に立派です。今場所は、本当に楽しかった!23歳の草野(伊勢ヶ濱部屋)、2場所連続十両優勝、最高でした!安青錦、佐田の海の敢闘賞、若隆景、霧島の技能賞、素晴らしい選択です。幕内の勝ち越し力士の顔ぶれを見ていくと、今後の相撲の流れが見えてきますね。朝乃山、関取復帰まで、あと1場所か。しかし、琴櫻が・・・話は変わりますが、立浪部屋の天空海の弓取が、豪快かつ、美しかったです。そして毎場所、私は行司さんの、素敵な衣装を見るのも楽しみです。何せ、取組の時土俵の上では、行司さんを除けば、皆裸ですからね! あと、これは煩い!と言われるかもしれないのですが、最近流行りのテレビを意識した「ガッツ顔」をやめて欲しい、と思っているのは、私だけでしょうか。やらない力士ももちろん沢山います。その方が、何倍もカッコ良いと、私は思うのですが・・ 全ての力士の皆さん、15日間素晴らしい場所をありがとうございました。7月場所は、新しく出来た名古屋のドルフィンズ・アリーナでの開催です。
Music is so special and powerful. Music is life itself. It echoes and we experience emotions through notes. I have been experiencing wonderful feelings in this Holy Week, attending 2 magnificent and glorious performances. First, I attended J. S. Bach’s St. Matthew Passion at First Congregational Church of Los Angeles, a part of Bach Festival, performed by […]
素晴らしい本と作者に出会った。前回の日本帰国の際に立ち寄った、「青山ブックセンター」で私を誘ってくれた本だ。品のある美しい文章が、強さと繊細さの間で、綴られている。よく気に入った風景を写真に撮ると、自分の目の前にある風景と全然違ってガッカリする事がある。ミラノの街角、ヴェネツィアのホテル、鬼藤の叔母さんの着物、寄宿学校のシスター・フォイ・・・描かれている風景そのものに、私を連れて行ってくれる。文章の中に風景が映り込んでいるのだ。 ほんの一握りの人達しか経験出来なかった、1950ー60年台の海外生活。その経験を、洗練された文章と語り口で、我々に話しかけてくれる。これは、エッセイだけど、ノンフィクションではないと思う。高度な「小説エッセイ」だ。第二次大戦から80年が過ぎ、我々日本人の暮らしは大きく変わった。SNSが猛威を振るい、日本経済は低迷。そして少子化・・須賀敦子の世界と正反対にある社会で暮らしている。 我々の日々の暮らしに起承転結はなく、ほとんどの場合、結果もない。淡々とした時間の繰り返し。彼女が見ていた心風景、私の心にもそっとしまっておきたい。
久しぶりに、ロサンゼルス相撲愛好会・例会で予想した力士が優勝しました!大の里関、おめでとう!そして、我々が予想した通りに、残念ながら今回も高安関、優勝を逃しました。大の里関、優勝インタビューも衒う事なく、淡々とまた堂々と、答えていましたね。とても好感が持てました。来場所の好成績を心から願うばかり。対照的な2横綱時代の到来が、待ち遠しいです。 朝乃山、3段目優勝。彼の優勝インタビューも、好感が持てました。怪我と上手に付き合いながら早く幕内に戻って来て欲しいものです。いやーー大物出現!新十両の草野関、ダントツで優勝。この力士も伊勢ヶ濱部屋です。インタビューでも、堂々としていて、自分をしっかり持っている様子がハッキリ。怪我をせずに、幕内、3役・・と駆け上がっていくのを見たいです。白熊は、高橋と名乗っていた時はいけるかも!と思っていましたが、最近調子が出ず。阿武剋、安青錦、美ノ海絶好調!40歳玉鷲は、押しの力も体の張りも衰えずに、どこまで行くのか、楽しみ。大波兄弟、頑張れ!若手到来、うかうかしていられませんよ。大栄翔、来場所の大関取りは白紙に。でも気持ちを切らさずに、邁進して欲しいです。宇良は、速攻・奇襲だけでなく、技量も上げ、これから先益々人気が出るでしょう!霧島、琴櫻両力士とも、名前を変えるのをもうちょっと待ってくれたらなあ・・と思うのは、私だけでしょうか。又、Ex大関の御嶽海、正代ともに負け越し。御嶽海は幕尻なので、来場所どうなるやら・・ 今場所も連日満員のお客様で、熱い応援が聞かれました。素晴らしい相撲を見せてくれて、ありがとうございました。来場所は、私も国技館に行く予定です。それでは、どすこい!
初めて手に取る作家の本です。ミドルエイジ(化石となった言葉でしょうね)の夫婦。ちょっと成功している人気作家の夫と、美容院経営の妻。夫は、忙しく「人気作家」をやり、若い編集者と浮気。妻は、離れてしまった二人の心を憂いつつ、自分から近づいて行こうとはしない。そんなありきたりの日常が、突然のバス事故で妻を連れ去り、180度変わる。しっかりものであった妻が、夫の日常から消えるのだ。紆余曲折し、夫の「妻探し」、そして擬似家族体験が始まる。「素敵」な擬似家族体験。わー、良いなあ・・と読者を涙目にさせつつ、そこは作家の妙。涙が渇かないうちに、そんなの幻想だよ!、と我々を現実に戻らせる。そして、最後の一行で、本当の涙がこぼれる。テンポ良し、文章のキレ良し。この作家、又読んでみます。
むかーし、吉祥寺とか、下北沢とかを、闊歩していた頃を思い出した。時間に急かされるでなく、将来の事を深く考えるでもなく、「若さ」で生きていた時代の話しだ。そんな時代が、誰にでもあると思う。私にもあった。そして、それが許されていた、というか、それだけで、夢中になっていた時代だ。「無駄」とか「損」という言葉と縁遠い話しである。井の頭公園の蝉の声が、聞こえてきそうな小説。そんな、東京の片隅で起こった、熱くて真摯な恋愛小説である。
Please join me at the concert! I will be performing all Spanish music concert. The admission is free. “Musica de España: Life and Music in Spain” Program 3 Danzas Españolas, Op. 37 Enrique Granados Canción No. 6 y Danza No. 5 Federico Mompou Canción y Danza […]
いやいや・・肩に力が入りましたね。巴戦とは! 豊昇龍関は、全ての面で優っていて、相撲スキルといい、メンタルといい、実に文句なしでした。特に巴戦の王鵬戦の出だし、腰の強さに、私は腰を抜かしそうに(!)なりました。140キロ代の横綱、私はとても嬉しいです。太り過ぎの力士の多い中で、今後良いお手本になると、期待しています。千代の富士関の永久大ファンの私としては、あのウルフ体型のお相撲さんが「目標」なんです。もちろん、私が相撲取りになる訳ではないのですが・・豊昇龍関は、最近は言動に重みが出て来て、インタビューなども良い感じで、自然体。相撲界の頂点に立っても、大丈夫!叔父さんが、メッチャ喜んでいるでしょうね。そして、立浪親方が涙しているでしょう・・大関になった時も、親方、謙虚に大喜びしていました。まあ少し早いですが、大関大の里関と将来東西の横綱を張ってもらいたいものです。 しかし琴櫻の惨敗ぶりは誰もが、予想していなかった事。大横綱を祖父に持つ二人の力士の明暗くっきりの場所でした。王鵬関、成長著しいです。金峰山を本割で破った相撲は、本当に凄かった。顔つきも(怪我の痕が沢山あるし!)、鋭さが増して来ました。これからが、本当に楽しみです。兄弟の中で一番大鵬関に似ていますよね。金峰山を破った時には、思わず家中に響くような声で、「よおー!大鵬の孫!」と叫んでいました。そして、文句なしで金峰山は、賞賛に値いします。最後の数日、ストレートに優勝したいと、言っていたのも、印象的でした。首の怪我から復帰して、恐々相撲を取っていたのが、強烈な相撲と迫力。これからも頑張って欲しいと思います。 とにかく面白い場所でした。尊富士関、伯桜鵬関、鉄人玉鷲関、霧島関、豪ノ山関、大栄翔関、などなど、大活躍。宇良の伝え反りも凄かった!力士の皆さん、15日間、本当にありがとうございました。じっくり休養して、また稽古に励んで下さいね。お相撲、大好き!大阪場所が、待ちきれないです。 追伸 私ごとですが、私の住むロサンゼルスの大火事(友人の多くが家を失い、大事な楽器を失いました・・)、そして私の父が闘病の末先週亡くなり、そんな中お相撲観戦はとても大事な時間でした。父は、92歳の素晴らしい生涯を全うしました。日本に帰って、現在綺麗にしてもらって実家で休んでいる父に、思う存分ピアノを聞かせてあげようと思っています。