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Japanese Blog (日本語のブログ) ロサンゼルス発 熟年スモジョ「どすこい日誌」2025年9月場所 September 28, 2025

楽しかった9月場所も終了。大の里関、おめでとう!これで、幕内最高優勝、5回目になりました。 14日目の豊昇龍の変化、そして琴櫻の休場に、失望を通り越して、怒りさえ覚えた方、少なくないと思います。13日目の豊昇龍戦での勝利でうんと株を上げた琴櫻も、休場で帳消し。何度見直しても、あの相撲で怪我をするとは想像できませんでした。師匠の話では、蹲踞が出来ないからとの事。。。怪我では仕方がないとしても、やはり怪我をしない体作りに励んで頂きたいものです。解説の照ノ富士関(現伊勢ヶ濱親方)が、豊昇龍の横綱としての姿勢を言及していましたが、同感です。豊昇龍は、すごい力士なのだから、小手先の益に目を向けず、どーんと横綱相撲を取って頂きたいと心より願っています。 安青錦、安美錦もすごい力士をスカウトしたものです。何もなければ、大関も目前でしょう。王鵬は、お父さんの事があって、余り好きではなかったけれど、今場所ですっかりファンになってしまいました。伯桜鵬、こちらも白鵬がらみで余り好きではなかったけれど、今場所で好きになりました。笑うと、可愛い! 若隆景、残念。正代、後半失速したけれど、10勝で頑張りましたね。おにぎりくんの、隆の勝、場所を牽引!負け越したけれど藤ノ川、8勝の草野も、良かったですね。ベテランになりつつある、小兵の宇良、飛猿も存在を発揮。朝の山、そろそろ幕内復帰か。。 今年納めの九州場所、どうなるやら。一相撲ファンとして、太平洋を超え応援しています。どすこい!

Book Reviews (マイブック評) 向田理髪店 奥田英朗 光文社 September 22, 2025

こういう小説を読むと、日本独特のコミュニティにホームシックを感じる。奥田英朗さんは、私の大好きな作家だが、最近手に取るチャンスがなく、久しぶりの「奥田節」を堪能。札幌から車で一時間くらいの小さな町、苫沢町が舞台で、この町で起こる人間ドラマが、「向田理髪店」店主の向田康彦目線で、語られる。この町の人達は、老若男女、清濁併せ呑む。人の助け方を知っている。人の愛し方を知っている。でも、私の住む巨大なアメリカにも、こういう素敵な人達がいることも、私は知っている。

Book Reviews (マイブック評) スピノザの診察室 夏川草介 水鈴社 September 22, 2025

スピノザの診察室は、現役の医師が、厳しい医療の現場を、温かく、かつ現実的に、そして静かな語り口で書いた、我々を導いてくれる物語である。カッコ良い「医師像」は、出てこないかもしれない。日々の患者との、さりげないやりとり。患者の最後に立ち会う、静かで、でもとてつもなく大きな心。淡々と、医師道を全うする、マチ先生。雄町哲郎(マチ先生)の独り言のような、この一言が私の心を打った。 ー理屈の複雑さは、思想の脆弱さの裏返しでしかない。突き詰めれば「生きる」とは、思索することではなく行動することなのである。ー マチ先生と人生の最後の時間を共に出来る人は、幸いである。

Book Reviews (マイブック評) Malice: A Mystery by Keigo Higashino – Minotaur Book September 15, 2025

It is one of the few books I have read in both Japanese and English. I am a big fan of Keigo HIgashino, and I would say I have read most of his books in Japanese, including this book. Higashino has been one of the leading authors in Japan, especially in the mystery category. He […]

Book Reviews (マイブック評) Rough Ideas by Stephen Hough – Picador September 15, 2025

I enjoyed reading his essays. Stephen Hough is one of the leading pianists, performing about 80 concerts a year in prestigious venues and collaborating with amazing musicians. And he writes, composes and paints! He writes mostly around music in this book from the viewpoint of a musician. Of course we have to remember his extraordinary […]

Book Reviews (マイブック評) 町田そのこ3作、「宙ごはん」、「夜明けのはざま」、「あなたはここにいなくとも」 July 14, 2025

私は、いったん一人の作家に傾倒すると、その方の本ばかりを読んでしまう癖がある。町田そのこさんが、私にとっての「今」の作家になる。今日ご紹介する3作とも、とても読み応えがある!「宙ごはん」は、食をめぐって、家族(血が繋がっていても、いなくても)のしがらみと優しさを、それは素敵に描いている。育ての親(ママ)と産みの親(お母さん)との関係、そこに凄腕シェフの佐伯さんと、優しい微笑みが紙面からも伝わってくる家政婦の田本さん。佐伯さんは、凄みの効いた顔に、髭面だ。登場人物が、紙面から飛び出してくるように、生き生きしているのも、町田さんのご本の特徴だ。人生には、いくつもの正解がある。規制の観念に囚われる恐ろしさ、そしてそれを守る故に大事な幸せを逃している人。沢山、いると思う。この本を是非読んで頂きたいです。一度、頭をまっさらにして、主人公、宙ちゃんになってみては? 「夜明けのはざま」、この本は優しい口上で、どんどんと私達の心に切り込んで来る。楓子、なつめ、サクマの3人の女性、最高の友人達だ。この3人が、様々な道を辿り、お互いを分かり合おうとし、時には強烈に批判し、人生を切り開いていく。まさに、女の戦場だ。自分に正直であろうとすると、いつも道は険しい。険しさを選ぶのか、それとも自分を殺すのか・・この3人を取り巻く男性軍は、時には大袈裟すぎるテライがあるけれど、これは小説だ!それで、よし!「自分に正直であること」、これは、時には周囲に迷惑をかける事もある。いろいろ考えさせられる、小説だと思う。 「あなたはここにいなくても」は、短編集。それぞれの短編が、とても大事な人を語っている。その大事な人の事を考える事によって、今の自分に立ち返る機会をもらっているのだ。人はいつも強い訳ではない。でも、必ずどこかに強さを持っている。意固地になる事もあるし、わざと大事なものから目を逸らす事もある。我々は、一筋縄ではいかない。だから、人間やっているのは楽しい。時には、破茶滅茶にもなるし、しとやかな令嬢にもなる。それが、人間だ。短編のどこかに、我々が探している答えが見つかるかもしれないし、見つからないかもしれない。是非、お読み下さい。

Japanese Blog (日本語のブログ) スペイン音楽の旅 ピアノ・コンサート 7月25日午後7時より June 16, 2025

こんにちは!いつも動画レッスン・演奏を見て下さり、ありがとうございます。7月25日7時より東京で、楽しくて、美しい、スペイン抒情溢れる曲を集めたコンサートを、開催致します。「平河町ミュージックス in 神田」という、とても素敵な会場です!そして演奏させて頂くピアノは、「サントリーホールの1号機ピアノ」、として長い年月サントリーホールで演奏なさる沢山のピアニストと共に歩みんできた、特別な楽器になります。又、サントリーホールの音響を担当なさり、世界的な音響設計家の豊田泰久さんが、このコンサートの演奏に当たり、音響アドヴァイスをして下さいます。お話しを入れながらの「スペイン音楽の旅」、どうぞ宜しくお願い致します!  “Musica de España: Life and Music in Spain” Danzas Españolas Op. 37 (1890)                                    Enrique Granados 1. Minueto 5. Andaluza 6. Rondalla aragonesa La Danza Española No. 1 from La Vida Breve (1905)       Manuel […]

Japanese Blog (日本語のブログ) ロサンゼルス発 熟年スモジョ「どすこい日誌」2025年5月場所 大の里、横綱に! May 25, 2025

ああ・・・大の里、横綱!もちろん全勝で締めるのが一番だったでしょうが、豊昇龍が意地を見せて、大の里に宿題を残したところが良かったと思っています。これから毎場所、この二人の横綱対決が楽しみですね。稀勢の里、引退して6年目に、横綱を送り出し、本当に立派です。今場所は、本当に楽しかった!23歳の草野(伊勢ヶ濱部屋)、2場所連続十両優勝、最高でした!安青錦、佐田の海の敢闘賞、若隆景、霧島の技能賞、素晴らしい選択です。幕内の勝ち越し力士の顔ぶれを見ていくと、今後の相撲の流れが見えてきますね。朝乃山、関取復帰まで、あと1場所か。しかし、琴櫻が・・・話は変わりますが、立浪部屋の天空海の弓取が、豪快かつ、美しかったです。そして毎場所、私は行司さんの、素敵な衣装を見るのも楽しみです。何せ、取組の時土俵の上では、行司さんを除けば、皆裸ですからね! あと、これは煩い!と言われるかもしれないのですが、最近流行りのテレビを意識した「ガッツ顔」をやめて欲しい、と思っているのは、私だけでしょうか。やらない力士ももちろん沢山います。その方が、何倍もカッコ良いと、私は思うのですが・・ 全ての力士の皆さん、15日間素晴らしい場所をありがとうございました。7月場所は、新しく出来た名古屋のドルフィンズ・アリーナでの開催です。

English Blog J. S. Bach’s St. Matthew Passion and Carlos Simon’s Good News Mass April 19, 2025

Music is so special and powerful. Music is life itself. It echoes and we experience emotions through notes. I have been experiencing wonderful feelings in this Holy Week, attending 2 magnificent and glorious performances. First, I attended J. S. Bach’s St. Matthew Passion at First Congregational Church of Los Angeles, a part of Bach Festival, performed by […]

Book Reviews (マイブック評) ヴェネツィアの宿 須賀敦子 文春文庫 April 9, 2025

素晴らしい本と作者に出会った。前回の日本帰国の際に立ち寄った、「青山ブックセンター」で私を誘ってくれた本だ。品のある美しい文章が、強さと繊細さの間で、綴られている。よく気に入った風景を写真に撮ると、自分の目の前にある風景と全然違ってガッカリする事がある。ミラノの街角、ヴェネツィアのホテル、鬼藤の叔母さんの着物、寄宿学校のシスター・フォイ・・・描かれている風景そのものに、私を連れて行ってくれる。文章の中に風景が映り込んでいるのだ。 ほんの一握りの人達しか経験出来なかった、1950ー60年台の海外生活。その経験を、洗練された文章と語り口で、我々に話しかけてくれる。これは、エッセイだけど、ノンフィクションではないと思う。高度な「小説エッセイ」だ。第二次大戦から80年が過ぎ、我々日本人の暮らしは大きく変わった。SNSが猛威を振るい、日本経済は低迷。そして少子化・・須賀敦子の世界と正反対にある社会で暮らしている。 我々の日々の暮らしに起承転結はなく、ほとんどの場合、結果もない。淡々とした時間の繰り返し。彼女が見ていた心風景、私の心にもそっとしまっておきたい。