Japanese Blog (日本語のブログ)
東野さんはどんな文体でも、どんな設定でも書けるらしい。この2冊は、少年達とそのセンセの話。とってもあったかくて、ユーモアたっぷりのお話しが、素敵に元気の良い大阪弁で書かれている。いろいろな難事件に遭遇(何故か巻き込まれる!)、それを優しく解決するしのぶセンセ。なんか、ほっくりくる推理短編小説だ。東野さんは7年の執筆期間を経て、このしのぶセンセシリーズにさよならする、と宣言。ですから、私達がしのぶセンセにお逢い出来るのは、この2冊だけです。どうぞお見逃しなく!
この本確か以前にも読んだ事があるのだけど(記憶がちょっとあいまい・・・)、又読んでみました。2転3転する話に、こりゃ一体なんだ!と驚かせる東野さんの90年代の作品。読者を欺き、作中の登場人物を欺きと、まあ役者集団なんだから(これ登場人物達の事)当たり前か。ちょっと現実離れした設定だけど、登場人物の全員がとても生き生きとして、性格がしっかり出ていて、おもしろい。天才東野圭吾(私は東野さんの大大ファン!)に浸りたければ、どうぞ。最近の作品とは又違った雰囲気が味わえますよ。
フランスへの公演旅行があったので、飛行機の中電車の中と、沢山本を読む時間があったのは、とっても幸せ。という訳で、この旅行で読んだ6冊の本の紹介です。まず、坂東さんの「桜雨」。大正ロマン的な香りのする、ちょっと古風でいて、怪談めいたおどろおどろしさもある、まか不思議な本。モノトーンの景色の中に、人間の愛憎を描く。その中で、激しい色の絵がポイントに。こう書いていると、とても絵画的なビジュアル系の本に見えて来ましたね。作家というのは本当にすごい。紙の上に字を載せていって、物語を綴り、読者を夢中にさせる。不思議な世界にご興味のある方、是非「桜雨」読んでみてください。
時間の経つのは、早いもの。名古屋場所が終了してから、あっと言う間に時間が経過してしまいました。連日の満員御礼の札に、感動!ロサンゼルスから、熱い声援を送っていました(毎場所こう、書いていますね)。今場所は近年の場所の中でも、盛り上がり度がとっても高く、毎日ワクワクして観戦していました。まず白鵬関の30回目の優勝。これは千代の富士、大鵬に続く3番目の記録。白鵬関のカッコ良さには、心からしびれます。あの貫禄、威風堂々としていて、それでいて謙虚な姿勢、まさに横綱に求められるすべてでしょう。そして豪栄道関の大関昇進、これも素晴らしいニュースですね。長い間関脇を守り、ついに昇進。大阪から大関が出たのは、何十年ぶりとの事で、浪速のファンが熱くなっていることでしょう。旭天鵬関や若の里関の経験者の活躍も素晴らしいし、九重部屋の力士達、若手力士達の台頭も良いですね。こんな場所がいつもだったら、お客さんが沢山入ること間違いなし。大相撲協会がんばって。海外からも、大相撲をそれはそれは楽しみにしているファンがいることを忘れないで下さいね!9月の東京、期待しています。
4月からこの3ヶ月、新しい家への引っ越しに、エネルギーを費やして来たのが、ここ数日ようやく落ち着き、少しゆっくりする時間が持てるように。新しい家は、オープンスペースで、プールのある庭に向かって開かれているので、とにかく物を置かずに空間を楽しむようにしたく、一体どれくらいのものをリサイクルの会に持っていったことやら・・大きな家具は、数点リサイクル会社にピックアップしてもらったし。しかし引越しというのは、とても良い起爆剤で、迷っている暇がないので、人生の中でたまってしまったものに、順位をつけ、整理整頓出来る本当に良い機会ですね。普段きれいに暮らしているつもりでも、クローゼットや物置、押入れなどに使われないものが大量にしまわれている訳で、それと直面するのは、はっきり言って辛い作業。だって、どの品も、人生のある時点では、使い、大事にし、思い入れが多少はあるものですからね。でも、それに順位をつけ(私の場合、これからも必ず使うか、これがないと毎日の暮らしに困るか、思い出が大きく他に替えられないか、などを基準に)、決断後はなるたけ後ろを振り返らないように。前進あるのみ。だって、やっぱり捨てられないなあ、となってしまうからです。この準備段階を経て、かなり身軽になって新しい家へ移動したわけです。 すべての物が、一応あるべきところに収まり、平常の暮らしがはじまったここ数日。朝晩、庭から眺める景色をたのしみ、家の中を通る風を感じ、ピアノの練習の合間にちょっと庭に出て、プールサイドから遠くを眺め、ご飯を食べ、改めて大きな決断をしたことへの喜びを感じています。以前の家でも十分暮らしていけたし、何も大変な思いをして家探しをしたりしなくても良かった訳だけど、私としては、どうしても、しっくりする家に住みたかった。家の勉強を始めたのが、4-5年前かなあ。。ロサンゼルスの不動産のことなど、数年かけて勉強し、準備をすすめ、昨年くらいから、本格的に条件に合う家探しに入りました。長い道のりではあったけれど(夫を説得するのが一番大変だった!)、本当に引っ越して良かったです。主人も最初の渋顔から、今では、ハッピーに家のことに打ち込んでいる様子。人生の新しいページのスタートです。そして、今月末のロサンゼルスでのコンサート、8月のフランスでのいくつかの演奏会など、ピアノ弾きとしての毎日に戻ります。
第39回江戸川乱歩賞を受賞した「顔に降りかかる雨」。そして、同じ女探偵ミロを登場させた「天使に見捨てられた雨」。読み始めた時は、近著の「ダーク」などとは全然違う雰囲気で進む文章に、ちょっとドギマギしてしまったけれど、次第にその奥行きの深さに、ズンズンと入り込んでいった。暗い都会の片隅に蔓延する悪との戦い。ストレートには出さない闘争心が、逆にミロの魅力を強くしている。長い間トップで活躍する作家というのは、こうしていくつもの語り口を持っているんだなあと、改めて感動。音楽家も一緒で、どれだけ幅の広いレパートリーを持っているか、創造豊かな音色や表現の幅で、活動の領域が変わってくるので、そこは同じかなあ。今後も、桐野さんのご本、楽しみにしています。
吉松喜一は、御年40歳。入社17年目の広告代理店をばっさり退職、フリーランスになった。気持ちの優しい「きいさん」に、舞い込んで来る仕事(もしくは相談事と言ったほうが良いけど)の周辺を描いた中年万歳小説。それぞれの章に登場する相談者達は、皆問題を抱えていて、それを「きいさん」がポジテイブに方向転換させるという、ある意味ヒーロー小説。そして、最後に全員参加のイベントが、「きいさん」とその仲間で開催され、めでたしめでたしとなる締めで、問題を抱える我々への応援歌になる。軽いタッチで、重いテーマを描いた小説。もし貴方が灰色の人生に絶望していたら、現実に「きいさん」がいる訳ではないけれど、この本で、ちょっとホンワカするかもしれない。
東野さんのエッセイ本。お若いころのハチャメチャぶりを書かれた、とっても愉快なご本。世の中には、人生のほとんどの部分で高水準を行く人がいるけど、東野さんもそのお一人。スポーツ出来る、学級委員長にはなる、クラスの人気者、素敵な家族の面々、頭良くて創造力抜群、そしてとびっきりのハンサム、人気作家だから超高収入。こう並べると、否が応でも、読者があまりの恵まれた東野さんを前に嫉妬しそうだけど、そこがどっこい、おちゃめな東野さんに、ばっさりとやられ、ますますファンになっていしまうのですね。一環した筋の通ったアホは、素晴らしい!東野さん、ばんざい!
引越しにあたって、見つけた昔読んだ本。とても若いとき、私は児童書作家になりたかったので、今江さんのご本はそれはそれは、大事に読んだものです。そして、数世紀(!)の時を経て、改めて読んでみると、その素晴らしさに、再び感動。本当に良く書かれています。引越しの準備、移動の合間にこの3部作読みました。第二次世界大戦の前後の日本を、ぼんぼんの目を通して、限りない優しさで綴られています。読んでいる間中、素晴らしい世界に連れて行ってくれた今江さん、どうもありがとうございます。読み終わって数週間経ったけれど、ぼんぼんの世界は未だに私の心に、強く語りかけてくれます。
嬉しいじゃないですか・・・10日間も満員御礼の札が出るなんて。国技館の熱い声援がここロサンゼルスにも聞こえて来たような、15日間でした。白鵬関、29回目の優勝(29歳で!)おめでとうございます。貴方は、歴史に残る素晴らしい横綱です。まさに、「心技体」とは良く言ったもの。これは、白鵬関のことですね。立ち居振る舞いも美しく、相撲の取り口も素晴らしい。日本の誇る横綱です。稀勢の里関も終盤まで良く併走し、優勝争いを盛り上げてくれました。勢関、妙義龍関も良かった。十両からも、期待の星が出てきて、幕内での活躍が待ち通しいですね。そして、15日間を通して、元気のある、闘志溢れる相撲が沢山見られたのが、ファンとしてはとても嬉しかったです。そして、往年のスター力士、現親方衆が、大相撲へとても貢献して下さっているのが、とても嬉しい事。大相撲協会の全員が一丸となって、今世代・次世代への相撲へ動いている事が、成果となって出てきているのではないでしょうか。次は、名古屋。7月を楽しみにしています。