Japanese Blog (日本語のブログ)
新聞連載小説に加筆修正された、長編小説。はっきり言って、とてもおもしろかった。江戸時代最後の将軍になった徳川慶喜に嫁いだ公家の姫、美賀子。徳川幕府が崩壊し、明治維新が始まった時代の今まであまり触れられることのなかった歴史に焦点を当てた小説。女性の視点から書かれ、世俗から離れた公家の姫が、「普通」の人になっていく姿を描く。もちろん、どんなことも、焦点の持って行き方によって、話の展開は大きく変わる訳で(離婚協議が良い例)、これが、男目線で、慶喜から見た美賀子を描いたら、また、それも面白いかも。明治維新の歴史について、新しいことを学んだ気がする。
これは、とても美しい短編集。東京の片隅で繰り広げられる愛の物語。それぞれにどこにでもいそうな主人公が出てきて、どこにでもいそうな誰かに関わる。心の襞に触れる、魂と魂の語らい、そして、別れ。読んでいると、時に自然に涙がこぼれてしまう。特別な気持ちに沈んでいく、小池真理子の恋愛ジャーニ―集。
寒い冬の真っ只中、日本。信じられないかもしれませんが、ロサンゼルスは今日も快晴。青空が広がり、鳥たちが一日中美しい声で、数えきれない歌を披露しています。窓は全開、気持ち良い風が、家の中を通り過ぎています。最近の私の楽しみの一つに散歩があるんですね!新しく引っ越してきた地域は、ロサンゼルスの中でも比較的古くからある場所で、それぞれの家がとても個性的。歩いていると、家の持ち主の主張が感じられ、すごく楽しい!スペイン風あり、1940年代のコンテンポラリー調あり、山小屋あり。それぞれの家が、歩いている私に語り掛けてきます。また、このあたりは、小さな丘が沢山あり、それを上手く利用して、テラスを造ったり、眺めを楽しめるようにも暮らしていて、それを見るのも楽しい。都心に近いので、クール(!)な人種が多いこともあるかも。カリフォルニアの自生の植物(サボテン系、何せ水が極端に少ないので。海は近いけれど)でお庭を造っている家も多く、それも私のもっかの楽しみ。我々の家も、前庭はカリフォルニアの自生植物庭園になっているのですが、裏庭の大きなスロープに手のかからない、それでいて綺麗で楽しい野生の庭にしたく、研究中なんです。仕事もあるので、毎日は出掛けられないけれど、時間を見つけて、近所を探索中。急坂が沢山あるので、運動にもなり、一石二鳥。今日も、午後行って来よう!
これは、大層美しい小説だ。今回本当に思ったけれど、村上春樹の小説って、とても視覚的なんですね。何だか、映画を見ているような感じ。題名からしても、もちろんビジュアル的なんだけど、それにしても、カーテンがふんわか揺れる様子や、プールの中の水のゆらめきまで、目の前で起こってしまう。多崎つくるの日常、彼を取り巻くカラフルな人間模様、悲しみ、喜び、過去、現在、未来、不思議な空間を行ったり来たり。どっぷり村上ワールドに浸ってしまった。
連日満員御礼の国技館。皆さまも応援に熱くなっていらっしゃることでしょう。相撲協会とNHKの努力が実って、お客様が増え、相撲女子などという言葉まで飛び交うようになった昨今。相撲大ファンの私としては、大変嬉しい限りです。私の場合は、ロサンゼルス一人相撲女子会だけどね。伝統や格式だけでなく、お相撲を分かりやすく、誰にでも手の届くところに持ってきてくれたので、お相撲さん達がとても親しみやすくなったと思う。そして、昔は何だか秘密っぽかった懸賞のことや、親方になるためのプロセスとかも、分かるようになって、すっきり。すぐにでも、国技館に飛んでいきたいところだけど、次にお相撲を生で見られるのはいつのことか・・・ 冬時間の西海岸では、大相撲中継が夜11時から1時までなので、それに合わせて、日中のスケジュールも決め、11時には、テレビの前に座るようにしていますよ。中日を過ぎ、千秋楽まで、あと一週間。もう毎日が楽しくてしょうがないです。がんばって!
真島誠のカッコ良いシリーズも、どんどん続いている。何といっても設定が抜群だ。「池袋」という東京の中でも、ちょっと曲者の町を選び、そこに活躍(暗躍?)する少年団達の話。今回の章も、言ってみれば誠ちゃんをいかにカッコ良く見せるか、に集中している言っても過言ではない。ストーリー展開が、スピード感にあふれ、読者にとってはもうたまらない。
この本も2度目。どういう風にストーリーが展開するのか分かってても、面白い。題名の「聖女」という言葉に、作者の思いが出ているのでは?そして、何故「救済」なのか・・不思議な題名だ。現実にありえない状況を、人間観察から解いていく。とことん人間を見つめる。売れっ子の東野さん。凄い本を次から次に出していく。読者も、うかうかしていられない。
この本を読むのは、2度目。それでも、思いっきりのめりこんでしまった。サイコメトラーという現実的でないテーマだけど、内容はとんでもなく人間的。そしてとても素敵な話だ。「愛」に溢れているとも言える。宮部さんの素晴らしいストーリー・テラーとしての才能が、存分に味わえる本。長編だが、一気に読んでしまう。
久しぶりの池袋ゲートパーク・シリーズ。まこっちゃん、いつも本当にカッコ良い。池袋の街を、背の高い、ちょっと痩せ型の真島誠が歩いているのが、目に見えるよう。平成のスーパーマン。次々に降りかかる(というか、呼び込む)トラブルを、いつもスリル満点にスマートに解決。そして老若男女にもてる、まこっちゃん。良いですね。石田さんの、「池袋」という土地の選び方が良い。現実的な設定なので、問題とその解決が夢物語になっても、何だかすぐお隣の話のように感じてしまう。文章のスピード感も絶妙。もしこの池袋シリーズ、一冊も読んでいなかったら、是非一度手に取って見て下さい。
流石、東野圭吾さん。どんな新作も読者を決して失望させない。裏の裏の裏、本の中の本。考えてみれば、とてつもなく複雑な内容なのに、そんな事は微塵も読者に感じさせない。思いっきりストーリーに惹き込まれて下さい。読み始めたら、本当に止まらない。嫉妬心というのは、人間の持つ悲しい心だ。そして、人をとんでもない方向に導いてしまう。それは、「悪意」となって。