Japanese Blog (日本語のブログ)
何たって、文章が美しい。お話の内容としては、一人の目立たない青年が、非の打ち所がない青年を愛してしまう。そしてその仮面の下に隠されたモンスター性に気付いた時から、その彼の愛の奴隷になるというものだ。究極の愛を奏でる。そして、最後にとてつもない幕切れが訪れる。テンポといい、ストーリー展開といい、人物の描き方といい、本物だと思う。ああ、こういうのを、小説と言うのだなあ、と思わせてくれる。長く、日本小説界のトップを走り続けている山田詠美さん、理由が心底わかりました。
もう長いこと、「笑う事」の効用について、語られてきた。ここで、それについて繰り返す必要はないけれど、一つだけ新しい(私にとっては)コンセプトを。楽しいから笑うのか、笑うから楽しくなるのか、ということ。私の周りにも、いつもしかめっ面して、晴天の素晴らしいお天気の日でも、「今日は本当に良い天気で、爽やかな風が吹いて、気持ち良いですね」などと声をかけても、「私はこういう風が嫌いで、気分が落ち込む」みたいに返事をする人がいるんです。楽しい気分になるチャンスを逃しているんですね。本当に残念。例えばこの人の場合、彼女もご主人もいつも病気をしているんです。病気の状況については、本当に気の毒に思うのですが、もしかしてもうちょっと笑ってみたら気分も晴れるし、逆に体の調子も良くなるかもなあ、と思ってしまうのです。私の友人でリューマチのひどくなった人がいて、背中がひどく曲がり、すべての関節が曲がり、全身の痛みに苦しんでいた人がいたのですが(数年前に亡くなった)、いつ会っても笑顔で残る人生を楽しんでいたんですね。友人の助けを借りて、私のコンサートにも来てくれていました。こういう人は自分の状況に関わらず、周囲の人々に幸せをもたらす、すごい力を持っています。 人生が思う通リにいかない時、上司に怒られた時、夫婦げんかをした時、介護で疲れ切った時、子供が非行に走ってどうしようもない時、事業がうまくいかない時、もう人生って山ほど辛い時があるけど、どんな状況でも、何か楽しい事を見つけて笑ってみたら、自分も、周りも、明るくなる事間違いなし。人生は一回しかなくて、その人生は長いようで、実は地球の歴史上でいえば、もう瞬き一回にも値しないくらい短い。毎日、笑って過ごしましょう!
人気沸騰中、という広告にあるように、読んでいてとても面白い。不思議な力に引き寄せられて、自然と高木聖大君を応援してしまう。「とどろきセブン」のメンバーも、爽快で、素敵。年を重ねてこんなお年寄りになれたら、良いなあ・・と、つい思ってしまう。事件解決のスリラーというより、どちらかというと「寅さん」的人情ものというほうが、相応しい。人気作家というのは、本当にツボを心得ているなあ。やめられない、止まらない、というコマーシャルが一昔前にあったけど、まさにそれです。
この話、とても気に入っています。主人公達の名前が、カタカナのところがとても良いし、文章がすきっとしているところがカッコ良い。映画化されたけど、やっぱり紙の上の文章読んで、映像を自分の中で膨らませるのが楽しい。それぞれ個性ある登場人物も、想像すると楽しいし、特に行った事のないヘルシンキの町というのが、完全に想像の中なので、素敵だ。短いお話の中に、爽やかできりっとした本筋が通っていて、あっという間に読んでしまうけど、読後に心の中にかもめ食堂が生きている。是非読んでみて下さい。
とっても健康的な、恋愛小説だと思う。この作者は、「新官能派」と呼ばれているみたいだけど、私にはちっともそんな感じはしなかった。久し振りに、清々しい青春ドラマを読んだ印象。陽に焼けた肌、自然と一体となった暮らし、ストレート勝負の表現。私には、とても新鮮だった。
文庫の裏表紙には、漱石の「こころ」現代版と書かれているけれど、かなりの現代版だと思う。彼岸先生は、クレイジーだし、突拍子もない。沢山の女性を愛し、そして愛される。魅力満載だ。終いには、精神病院へ入るが、これも「嘘つき」の続きなのか、よく分からない。自分に正直であり続けるための、方便か。彼岸先生のアメリカ滞在中の日記には、現在アメリカ暮らし25年を迎える私には、同意しかねる表現、解釈が出てくるけど、まあこれは小説だし、フィクションを生きる先生を描いたフィクションなので、深読みしないでおこうっと。大長編で、アメリカ暮らしの一挙手一投足が延々と続く箇所は、すみません・・少し飛ばしました。これは、超ロマンス小説とも言えるし、支離滅裂とも言える。大長編読みたいという方は、是非挑戦して、ご自分で答えを見つけて下さい。
今年に入ってから、連日満員御礼という大盛況の大相撲。今場所も熱い取組が続いていますね。白鵬と他の力士の差が以前ほど大きくないのが、面白くなった要因かな。そして、何と言っても人気力士が沢山いるのも良いですね。それに加え40歳の旭天鵬の活躍。これも元気印で最高。まあ、良いこと尽くめの大相撲です。特に14日目の今日は、私のヒーロー九重親方の解説で、一言一言がずんずんと心に響き、余りのカッコよさに感動している訳です。 大相撲協会の素晴らしい努力で、数年前の大スキャンダルからカムバック。大相撲は、沢山の人の楽しみになっていますね。ウンウン。良いぞ!相撲女子の存在、応援力士の投票、和装デイ、テレビ中継の中で取組の解説だけでなく相撲全般にわたる説明など。そして、何といっても力士たちの熱い熱戦がおもしろい!千秋楽まで優勝決定がのびる事を願っています。力士の皆さん!ロサンゼルスから、大声で応援しています。
私は、一人の簡単昼食が好きだ。俗に言う、手抜きっていう事ですけどね。例えば、今日、お蕎麦がどうしても食べたくなって、冷やし中華風に、ゆでたお蕎麦の上に、野菜、ハム、大根おろし、そして仕上げに鰹節と海苔で完成。そばつゆをまんべんなくかけて、頂きますっと。ちゃちゃちゃっと作って、さっと食べる。至福の時です。ご飯をハンバーガー風にして、残り物をご飯に挟み、海苔で巻いて食べるのもオツですよ。前夜のカツなどが、最適で、佃煮や、煮物もOK. まあ、食いしん坊で、これから死ぬまで、どれくらい美味しいご飯が食べられるかなあ、と日々考えている私ですからね。派手にすることはなく、簡単が一番。そして、夕食など、手をかけて作る時は、魂込めて作る。結論として、とにかく私は料理が好きなんだと、思います。は。
とても美しい小説です。だけど、何だかこういうコンセプトのテレビドラマ最近見たなあ、と思ったら、「流星ワゴン」だった。1994年に発表された本作品がきっと先にあったのだろうけれど。過去と現実を行きつ戻りつ、お話が進む。とてもレトロに、戦時中まで戻るし、私にとってのレトロもある。地下鉄銀座線には、小さい頃祖母に連れられて、浅草まで渋谷から買い物に行ったので、あの駅近くになって、電気が消えて暗くなる一瞬を良く覚えている。ちょっとよそいきの格好して、祖母の横にちょこんと座っていた私。帰りには、よく東横の上の食堂で、スパゲッテイ・ミートソースをご馳走してくれたっけ。この小説に登場しそうな光景。
軽く読めちゃって楽しい、そして主人公に結構のめり込んで、一生懸命になれる。石田さん、さすが、ヒットメーカーだけの事はあります。これはシューカツだけじゃなく、人生のいろいろな岐路に立つ、すべての人にお薦めの、「がんばれ!貴方にも出来る」小説です。でも、あんまり面白くて、自分のやるべき事をお忘れにならないように。