Japanese Blog (日本語のブログ)
心理描写が深い、ミステリー。基本的に舞台は一か所。警察内の取調室と、それに隣接する取り調べ室をミラーごしに見られる部屋。舞台は極めてシンプル。だけど、そこで繰り広げられるドラマは、すさまじい。役者は、大物がそろっている。何か、舞台でのお芝居を見ているような気にもなってくる。二転三転する中で、次第に真相が明らかになってくる。それも真犯人が自分を追い詰めていくのだ。読者も時には、だまされてしまう設定の見事さ。ミステリー界の女王(こんな言葉、宮部さんはとっても嫌いだろうけれど。)にふさわしい、読者の心にドカンとくる一冊です。
石田衣良さんの、大ヒット作の一冊で、究極の「ライフ・イン・池袋」のお話し。私は池袋には住んだことはないけど、子どもの頃西武池袋線の「ひばりが丘」というところに居たので、ちょっとだけ感覚が分かる気がする。それにしても、カッコ良いマコトちゃん。。。。男も女も、まさに老若男女が惚れてしまう男子とは、彼のことだろう。クールに見えて、熱血漢。ハンサムだけど、気取らない。八百屋のお兄ちゃんであり、クラシック音楽にも造詣が深い。石田さん、すごいキャラクターを生み出したものだ。これこそが、売れっ子作家の所以でしょう。いつも読みたいとは思わないけれど、たまにすごくマコトちゃんに会いたくなる。池袋ウエストパークシリーズは、沢山あるので、私にとってまさにうってつけ!そんな、一冊です。
全く内容を把握しないで選んだ(南米のツアーに持って行った何冊かの本)この2冊が、不思議にも似たようなテーマを持って書かれていたとは・・最初に「うつくしい子ども」を読んで、その次に「リアルワールド」を読み始めた時には、びっくりしたし、興味がとっても沸いた。何故って??だって、全く違うアプローチと文体で、若者達の心の襞を、そして闇を探っているからだ。どちらが良いとか、という問題では全くなく、猟奇的、狂っているとしか言いようのない状況で、子供たちの叫び声を聞き取っていく。もし可能なら、この2冊を読んでみる事を、お薦め。どちらも、読み応えがどっしりあって、考察力がとてもしっかりしている、感動作です。
吉本ばななさんの、ひと昔前のエッセイ集。だから、登場する人物が、カート・コバーンだったり、アイルトン・セナだったり、する。でも、「ばなな調」には、変わらないよ。つまり、ただ単に生活の中の独り言という訳ではないってこと。彼女の人生に大きなインパクトを与えた人の話しや、身近にいるアーテイスト仲間の話など。私が知らない人の話だったりすると、ちょっと分からなくて、ついていけない感もあったけど、なかなか面白い発想もあって、読破。
これは、「手紙」とはうって変わって、軽いタッチの学園推理小説、短編集。非常勤講師が、行く先々の学校で遭遇する不思議を、解決していく、ちょっと暖かくも、可笑しくも、楽しい、まさに「学園もの」だ。多彩で、いろいろな顔を持つ、東野さんにふさわしいですね。軽く何かを、というのなら、是非お薦め!
南米コンサートツアーでは、全部で8回飛行機に乗ったので(!)、本を読む時間は、たっぷり。5冊持って行って、読んだうちの一冊が、この名著。もちろん以前にも何回か読んだことがある。しかし、何度読んでも泣けてしまうんですね。結果が分かっている、途中の経過も知っていて、それでも感動。すごいお話しです。もし、まだこの本を知らない方いるなら、是非手に取ってみて下さいね。
これぞ、まさに正統派作家。文章がとにかく美しい。流れるような文体に、そこかしこに、キラキラ光る宝石が埋まっている。お話そのものも最高だけど、表現の、そして言葉の使い方にひたすら感動、感動。とってつけた、わざとらしい表現が一つもなく、読んでいると、川の流れに身を任せるような感じで、すーっと、言葉が入ってくる。そこに、水を通して見えるプリズムみたいに、きれいな言葉がさらっと、近くを流れていく。こういう文章にいつも浸っていたいと、つくづく思うのです。そして、「無銭優雅」という言葉の持つ、不思議な魅力。是非読んで見て下さいね。
これぞ、日本人。久しぶりに、大量にギョーザを作って、食べに食べた。ニンニクも沢山入れちゃったし、もちろん豚ひきのシンプル味。こういう爽快感を久しく味わってなかったので、実に満足。こんなに手作りが美味しかったなんて・・もっと頻繁につくろう!そして、幸せになろう!餃子、正に日本のソウル・フードですね。日本人に生まれて、良かった。
美しい短編集。素敵な宝石箱に詰まった、ジュエリーとでも言えるかな。一人称だったり、二人称だったり、はたまた3人称だったり。光の当て方は様々だけど、それぞれの短編はキラキラしている。短編同志は全く繋がっていないのだけど、一冊読み終わると、なんだか長編を読んだような不思議な気分になる。小池真理子さんの才能で、全編が美しい愛であふれている。
とても散文的。詩的小説っていうのかな。非現実的なんだけど、それが何だっていうかんじ。素敵な文章だと思った。青年(すごく古い表現)のやるせなさとか、本音とか、自分ではコントロール出来ないエネルギーが、文章の合間に溢れている。お洒落な設定なのに、それだけに走らないところがとっても良い。