Japanese Blog (日本語のブログ)
この作者、50代になって小説家になったという、遅咲き、だけど、とんでもない才能の持ち主だ。この一冊に、宇宙のすべてが凝縮されているともいえる、人間の根幹を描いた本。最初、ホラーサスペンス大賞を受賞したものの、余り売れず、しかし他に書いた本が注目を浴びると、この本にも関心が集まり、ついに文庫本60万部を突破したとか。東京の電車の中で、どれだけの文庫本が読まれたかと想像すると、それだけで、ホラーな感じがする。「読者界を震撼させた。。」とあるが、文章の構築性、心地良いテンポ、人間関係の複雑かつシンプルな空気感、そして一番大事な、「愛」を、一冊に閉じ込め、いろいろな意味でぞくぞくさせる一冊。題名から想像すると、青春の1ページを描いた感だが(それも多分にあるけど)、永遠のテーマの「人間とはなんぞや?」に迫る、すごい本だ。是非お読み下さい。
これも、いけいけの青春ものだ。下北沢は、青春時代、私の遊び場でもあったので、共感できるところは、いっぱいある。と言っても、昔の面影はないかもしれないけどね。今度日本に帰国したら、是非行ってみよう、っと。下北の小劇団のお話しで、茶沢通りが、背景に出てくる。とっても懐かしい。本当にばか、やったものだ。ある意味、若いってことは、バカをやる特権のようなものだから、そういう意味、私は青春を謳歌した訳ですね。ご迷惑をかけた方々には、この場を借りてお詫びします。「下北サンダーズ」は、ちょっとカッコ良すぎるかもしれない。だって、どんどんと出世しちゃうから。でも、人間関係の、ハチャメチャさは、とっても素敵。ノスタルジーに浸った本でした。昔を懐かしむようになったら、おしまいだ。
平野勇気の日記、第二話。「神去なあなあ日常」からの続編だ。勇気は、すっかり村の生活にも慣れ、車の運転も出来るようになった。山道だって、平気だ。村で唯一の若い女性への、アタックもする。どんどん、強くそして、生き生きとする勇気。読んでいる私も、ひっかき傷作りながら、山仕事に励んでいるような気分になった。とっても、素敵な青春物語。幻想的な村の神話も、信じられないようなものだから、反ってカッコよい。勇気がんばれ!
これはコンサートツアーに、主に飛行機の中で読もうと思って、持参した本。680ページ以上の大長編で、結構重かった。心理描写はさすが。どんどんと惹きこまれていく。フィクションというのは作り話なのだけど(もちろんそれが面白いのだけど)、「悪の連鎖」というテーマで書かれたこの本は、何故か連鎖の仕方に無理があるように、感じたのは、私だけだろうか。バスジャックの動機とその発展の仕方も、何だか、あまりに非現実で、現実的な登場人物達と、相反してしまう感じ。なんだかんだと文句を言っているのだけど、それは、宮部みゆきだ。面白くないはずがない。ツアー中に読破しましたよ!
三浦しをんの新しい境地!林業ものである。ファンタジーあり、就活あり、過疎化の村おこしあり、恋愛までしっかりあり、三浦さんの新しい引き出しから、次々と出てくる。メチャ面白い。どの本を取っても、すべて新しい顔があり、新しい切り口がある、三浦さん。大天才。この本読んで林業に進む、我が日本の若者がいることを、深く願っています。一生かけて情熱注げる仕事に就けた人は幸せ。そして、これしかない!という大大好きなことが、見つかった人は超幸せ。
これは新聞小説で最初デビューした本。まさにタイトル通りの、ガン宣告から余命を告げられ、人生の最後に向けて、どうなるか、どう変わるのか、というお話し。大長編だけど、読者を惹きつけてぐんぐんと、話しが進む。人生の終わり方を否応なく突き付けられた時、我々はどうするのか。どの歳になったから、死を受け入れられるのか、という問題ではない。抗がん剤治療で、身体も心もずたずたになってから、穏やかな日々を取り戻す主人公。いろいろ考えさせられる。
これは、まさに「スポ根」ものだけど、三浦しをん流の。そして、最高のストーリーだ。とても、長編。そして最初から、最後のページにむけて、だんだんと音量を増して、「彼方へ」の章で、それが、最高潮に至る。ここは、涙を誘うところだ。やっぱ、青春って良いなあ。仲間って良いなあ。っと、思わせてくれる。だけど、臭くなく、ね。三浦しをん、すごい。
この作者の引き出しの多さに、毎回驚きます。新しい本を開くと、そこに全く前の本とは違う世界、違う言葉のつながり、空間がある。「光」は、こんなに最低で良いの?と、思うくらい、最悪の最悪の人間性が根幹にある。そこから、歯が浮くような、愛を描いていく。幼馴染という安心するような関係から、とんでもない話が紡がれていく。「普通」を切望しながら、「普通」を嫌う。人間の本質に迫る本だ。
なかなか楽しみな番付ですよ。横綱、大関はもとより、琴勇樹と高安の前頭筆頭、嘉風と豊ノ島の関脇など、上位戦が見どころ一杯になること、間違いなし。正代がすでに6枚目。残念なことに、遠藤と大砂嵐が十両での取り組みですが、すぐに幕内に戻ってくること、信じてやまず。豪栄道には地元大阪場所での、奮起を。九重部屋(私のヒーロー、元横綱千代の富士の部屋)の各力士の活躍も。ああ・・大阪に行けならなあ。太平洋のこちら側から、大相撲応援してます。
本好きの私にとっては、会うべきして会った本。辞書にかける情熱。すべてを忘れて打ち込める、情熱。本当に素晴らしい。「三浦しをん」熱に浮かされている私に、更に追い打ちをかけるすご本です。再三書いているように、この作者の天才的な主人公の命名術!「馬締光也」何とすごい響き。そして彼の奥さんが、「香具矢」。言葉へのあくなき探求心の馬締に、香具矢の料理への真摯な気持ち。そんじょそこらにはいない、カッコ良い夫婦です。人生何が幸せって、こんなに狂おしく何かに執着して、仕事を愛することでしょう。もうそれに尽きる!それがあれば、他の事は後からついてくるし、又、他の事が大事じゃなくなるからね!「舟を編む」は、名著です。