Japanese Blog (日本語のブログ)
こちらも、2度目に読む本です。後半のクライマックスでは、涙なしには読めないページが続きますよ。本が始まった段階では、全く想像も出来ない展開となり、登場人物達が、葛藤、苦しみを経て、成長し、深い愛の世界に到達する。題名に全てが込められている、と言っても過言ではないと思う。東野圭吾の代表作の一つですが、もしまだ読んでいなければ、是非読んで下さい。
この本読むの、2度目です。「本格推理」という概念がない街に、タイムスリップする私、探偵天下一。実際の世では、推理作家として活躍するが、この過去のない不思議な街では、探偵として求められる。童話の中に、真実が’隠されているように、この不思議な街の暮らしの中から、現実の世界の問題点の解決策が見つけられるよう。。この作品の後、東野さんは、名作群「手紙」「赤い指」「容疑者Xの献身」など、意欲的に発表する。純文学推理とでも言うべき、感動の小説ばかりだ。常に進化し、自分に挑戦し続ける東野圭吾。新しい本を手に取る時、いつもワクワクさせてくれる。私ごとで大変恐縮なのだが、この夏再びガーシュインのラプソディ・イン・ブルーを演奏する機会に恵まれ、一念発起し、新しい楽譜を買い、フレッシュな気持ちで練習を始めた。多分50回くらい演奏して来ていると思う。今までとは違ったフレーズを入れたり、指使いを変えたり、音の強弱もニュアンスも全く違う嗜好で弾いてみると、何だかとっても新鮮で、楽しい。こちらも、ワクワクさせてくれる。
ロスアンジェルス相撲愛好会も、この9月で4年目に入ります。当初の、”お相撲への熱い情熱を同胞と分かち合いたい”という希望が叶い、場所毎に楽しい例会を開いています。例会は通常中日の6時から。そして、場所終了後に、会の皆様に場所の感想などを、イーメイルで送らせて頂いています。今回はその中からいくつかご紹介しますね。敢えて手を加えず、会の皆様に配信したものをそのまま載せます。そうか、こんな事もあったんだなあ、と、相撲界の変遷を思い出す、良い機会にもなりました。独善的な見方もありますが、相撲ファンの戯言と、お許し下さい。 2019年5月場所後 5月場所も終わり、平常の睡眠時間帯へと移行したところですね(TVジャパンでの観戦の場合)。しかし、何かと物議の多かった場所(まあ、いつもそうですが。。!)です。阿武松審判長の訳の分からない説明、物言いがつき行事差し違えで朝乃山が勝った一番、トランプ大統領観戦のため力士達のテンポが狂った千秋楽などなど。 まずは、朝乃山、おめでとう!ご両親の前で優勝を決め、親孝行者です。故郷では、号外も出たとか。まさに、故郷に錦を飾るという相撲道を行っています。小兵力士が頑張った前半戦でしたが、後半戦ははっきりと作戦を読まれ星を伸ばせなかった。。竜電はカッコ良い!特に、取り組み後、髷が乱れた姿など、令和の坂本龍馬のようです。阿炎、正代も今場所良かったですね。明生、友風も良い!十両優勝した、大暴れの貴源治が楽しみですね。やんちゃな感じも、相撲取りにはピッタリと私は思います。次世代を担う、納谷(幕下22枚目6勝1敗)、琴鎌谷(幕下2枚目4勝3敗)、豊昇龍(幕下4枚目4勝3敗)が調子を上げています!また、ご記憶がお有りかと思いますが、舛乃山(幕下49枚目)、千代鳳(幕下10枚目)も復帰して来ています。照ノ富士のニュースも良く耳にしますしね!そして最後に、怪我で休場中の沢山の力士達の、早い復帰を願って止みません。 2019年1月場所後 玉鷲の優勝という事で、何故か全てが丸く収まった感の初場所でした。栃ノ心の優勝の時もそうでしたが、人柄の溢れる優勝インタビューで、こちらもほろっとさせられましたね。稀勢の里の引退が遥か遠くの出来事のように、波乱万丈の初場所でした。豪風の引退インタビューは、家族総出で行われ、とても好感が持てました(奥様がとても美人!)。やはり、貴景勝、御嶽海が、次世代を担うのか。矢後などの、中堅若手が台頭するのか。白鵬、鶴竜の引退も近く、大関もイマイチ本調子でない現状で、大相撲界どうなって行くんでしょうね。 問題山積の相撲界ですが、例会でも「ここら辺で、大改革が必要!理事長を相撲界の外から選んだら。。」などの意見が出ました。有識者(若佐さんではありませんが、この定義も不可思議なもので)などの、外部の力・知恵が必要でしょうね。大川さんからは、ビジネスの成功者は?というご意見も出ました。今井さんのご意見では、多くの力士がプロの力士になる前に、すでに故障があり、それを隠して入門する場合もあるらしい。。まあ、ちびっ子相撲の時から、超肥満児ですから、外から見える怪我だけでなく、それは内臓にも負担がかかっているでしょう! という事で、現在と以前の力士達の体格について調べて見ました。 1918年 平均身長 174.6cm 平均体重 102キロ 1968年 平均身長 180.9cm 平均体重 130.6キロ 2018年1月 平均身長 184、2cm 平均体重 164.2キロ これで見ても歴然なのが、力士の超肥満化現象です(高見山などのハワイ勢が、大型化に加担したかもしれませんね?)。50年前と身長は余り変化がないのに、体重は約30キロ増えています!面白いのが、土俵のサイズも変化して来ていて、100年前には直径3.54メートルだったのが、現在は4.55メートルです。力士のサイズに並行して、大きくなったのでしょうね。ちなみに、輪島の現役の時の体格は、186cm・132キロ、千代の富士が、186cm・126キロです。 現在の相撲の面白さの一つに、小兵力士が大きな力士をやっつけるというのがありますから、現状のままではレスリングのように階級を設けることはできないでしょう。しかしこのまま「皆が大きいから自分も大きくないと勝てない」状況が続くと、早晩怪我だらけの力士、休場力士だらけの場所ということになりかねませんね。つまり「大改革」が求められるということです! 2018年12月場所後 長いようで、短い15日間が終わりました。場所前半から、貴景勝の有利と見ていた私としては嬉しい結果ですが、高安にも勝たせたかったですね。しかし、22歳の貴景勝、驚愕としか言いようのない、落ち着きと慧眼。元貴乃花から、「平常心が土俵上での勝利に結びつく」と教わったと語っていますが、それに加えて真摯な姿勢と闘争心が備わり、相撲力士としての将来が大変楽しみです。大関になるのは、間違いないでしょうが、その上に行くには、いま持っている突っ張りに磨きをかけ、廻しを取っての相撲、素早い反応が求められのでは・・・今後の相撲界を引っ張って行くのは、確実ですね。一人一人言い出したら、キリがないのでこの辺でストップしますが、若手が出て来ているのは確実です。しかし、じゃあ、横綱までいけるのは?と問われたら、貴景勝くらいしかいない・・・ 稀勢の里には、横綱としてどうやって美しく身を引くかを、真面目に、そして深く考えて欲しいです。横綱になってしまったので、引くに引けないと言った状況で、気の毒ですが、これからの人生も長く、これ以上惨めな姿を見せて欲しくない、というのが、私の本音です。 宇良の三段目全勝優勝は、大変嬉しいニュースです。親方と一緒に、焦らずに怪我を治し、復帰したのが、良かったのでしょうね。順調に行けば、来年中には幕内に戻ってくるでしょう。又、豊ノ島の十両勝ち越しも、嬉しいニュースです。納谷は、ささっと上に上がるかと思いましたが、三段目で五分五分の成績。何かをブチ破れば、来年には十両への昇進も? 2018年7月場所後 ついに御嶽海、優勝しました!心から嬉しいです。おめでとう!又、例会での予想も、ほぼ御嶽海の優勝(高安をあげた人も・・)でした。郷里の長野県木曽郡上松町からの、連日の応援団、いやあーーすごかったですね(今や、長野県すべて)。上松町では、町民同志の日常の挨拶が、御嶽海の事から始まるようで、相撲の伝統の「郷里の星」です。そして、3賞受賞の豊山と朝乃山も若々しく、とっても良かったです。しかし、あの二人、兄弟みたいですね!体形と言い、顔つきと言い・・ 稀勢の里の悪影響が出たのか、まあ休場力士が続出し、お相撲中継の時間がだぶついている様が手に取るようでした。「御嶽海」と彼の応援団で、本当に場所を盛り上げてくれました。フランケンシュタインの様な、包帯ぐるぐるの力士も相変わらず多く、基礎体力の向上、怪我をしない取り組み方法の取得に、務めてもらいたいものです。十両の貴の岩の優勝と、彼の優勝インタビューでの闘志を秘めるも淡々とした語り口は、昨年からの相撲協会のごたごたに、ピリオドを打つ形になったのでは、と勝手に思いました。 来場所の9月で、今相撲愛好会も3年目に入ります。益々、盛り上がっていきましょうね!相撲仲間を得て、私も本当に幸せ者と、皆さまに感謝しております。お相撲の番外では、音楽の本業も好調です。ロサンジェルスでもいろいろと演奏しておりますが(昨日も演奏があり、楽しく演奏出来て白星!)、来週よりヨーロッパ、アジアと9月初旬まで出かけます。 2018年3月場所後 鶴竜の優勝という、誰もが想像しなかった結果となった大阪場所。何故かいつも影の薄い鶴竜で(横綱になった時はそれは騒がれたけれど、残念ながら”花”のないお相撲さんですね・・)、白鳳、日馬富士の影に隠れてと言うのならまだしも、下位力士にも”スター”性を奪われているように思えます。しかし、千秋楽は気迫のこもった素晴らしい相撲が続き(竜電、御嶽海、高安など)、場所のしめくくりとして最高の日でした。特に高安の取り直しの相撲は、太平洋のこちら側にいる我々にも、その闘争精神が伝わってきましたね。高安のあの勝利が将来に向けて大きなものとなりましたが、足のケガが心配され、後を引かなければ良いが、と懸念しています。3賞力士達の活躍ももちろん最高でした!又、豊山、朝乃山、竜電、阿炎の若手大型力士達の活躍も、すごかったですね!北勝富士、貴景勝、阿武咲は、うかうかしていられません。しかし、今場所もケガの力士の多かったこと・・巨大化する力士の体に、大きな問題があるのはもちろんの事、基本動作の習得、基礎体力など、多々問題はあると思います。例を挙げれば、勢ですが、体重が増えると共に(以前はお腹周りが、ぼてぼてせず、引き締まっていた)、ケガが増えて来たように思います。それに比べ、モンゴル人力士は、体格も締まり、肌の艶も良く、幼少時の訓練の賜物なのか、見ていて、気持ち良いです。白鵬のアンチファンの方達、すみません!(逸ノ城はちょっと違うかも・・) 夏時間に入り、ジャパンTVでお相撲観戦をしている我々には、中継を見るのがなかなか難しくなって来ましたね。でも逆に日本にいれば、ウイークデイは、ご隠居さんとその孫くらいしか、4時から6時のお相撲中継をゆっくり見るのは無理なんですね。私も録画、ダイジェストなど利用しながら、観戦しています。最後の数日は夜中の中継を見ましたが、結局途中で寝てしまい大事なところを見逃すので、今後は自分に期待せず(!)、眠くなったら録画に切り替え、きちんと寝ます! 2018年1月場所後 栃ノ心の優勝で、何故かすべてが丸く収まった感じの初場所でした。山積した問題は何も解決していないのですが、「栃ノ心良くやった!」という事で、封印してしまったかのよう・・・それでも、単純に栃ノ心の優勝は嬉しかったです! 1月例会は、13人の熱い相撲ファンが集まり、楽しい時を過ごしました。森本さんから、ご提案があります!例会をお休みなさる時に、皆さん「休場」という言葉を使うところから・・ー新しい方の紹介は”初土俵”、規約に違反した場合は指導が入り、会を辞める時は髪にハサミを入れなければなりません。ー 初土俵は初々しく!規約というのは、相撲協会ほど厳しくなく、Ebisuのビール・ピッチャーで殴らない、とか、罵詈雑言、誹謗中傷なく楽しく集う、とか、マリナデルレイ互助会内で、勝敗をやり取りしないとか・・断髪式は、皆さんで少しづつハサミを入れ、私が最後に、とめバサミで髷を落としましょう! 私は今年巡業(演奏旅行)が多く、海外巡業もいくつかあります。今朝も、フランスの勧進元から連絡があり、巡業先が増えました!力士が精進するように、私もすり足などに励み、取組(演奏会)で、勇み足などないようにしたいと思います。改めて相撲と演奏の世界はとても似ているなあと、思っています。 どすこい豆知識 相撲禁じ手 1)握り拳で殴ること。 2)頭髪を故意につかむこと。 3)目、又は、みぞおち等の急所を突くこと。 4)両耳を同時に、両手で張ること。 5)前立褌(まえたてみつ)をつかみ、横から指を入れてひくこと。 6)のどをつかむこと。 7)胸・腹をつかむこと。 8)1指、又は、2指を折り返すこと。 これを読むと、お相撲の取組がかなりの近距離で、大怪我と隣り合っていることが分かりますね。 2017年12月場所後 夜中の相撲中継にスケジュールを合わせた生活も終わり、皆さま普段の暮らしに戻られた事と思います。最初から最後まで、物議をかもしだした場所でしたね。稀勢の里関の休場のことなど、もうはるか昔の事のようですし、ちょっと前まで、大スターだった宇良の事など、誰も語らないし。。(宇良関、早く戻って来れると良いですね!)千秋楽のハイライトの一つは、安美錦関の涙の勝ち越し。もらい泣きされた方も、多いと思います。白鵬関の優勝インタビューは、パフォーマンス精神には頭が下がるも、状況をきちんと把握せず、自分よがりの一人芝居的要素もあり、残念でしたね。自分の頭の上の蠅を追ってから、お願いしたいものです。折角の優勝40回を、自ら台無しにした感もありますし、何たって、横綱白鵬は、相撲史上に残る名力士です。その辺をきちんと考えて国技として「横綱らしく」して欲しいなあ、と思います。 こうしてお相撲好きの会を継続していけるのも、皆さまが楽しく参加して下さるお蔭です。今年も本当にありがとうございました
離婚応援歌、とも言うべき本。本の帯には、「愛はいかにして色あせていくのか」となっているけれど、「愛」というより、自己発見と自己成長記だと思う。だって、本当は、「愛」なんて、最初からなかったのだから。「愛」だと思い込んでいた何かと戦い、自分が良く分かっていなかった33歳の女性が、独り立ちする、奮闘記である。でも、私はこの話、結構好き!正直なところかなあ。ちょっと最後がカッコ良すぎる感があるけれど、も。
家族について、愛について、そう、永遠のテーマ。この本の中の一文「家族は家族であるだけでもうすでに問題点いっぱいだという事だったけれど。」。言い得て妙。そして句読点が一切ないところが、又とても良い。かなり変形な家族と、相反するようでいて実は全くそうでない、愛の濃さ。不思議さと普遍が混じり合い、独特の世界に連れて行ってくれる。心を自由に解き放ち、真実を見つめるのは、楽じゃあない。けれど、心が満たされる。
久しぶりの、ばなな本。彼女の本の魅力って、何だろうって、考える事ありません?世界各国で翻訳され、読まれている。国境を越えて、確実に共感出来るコンセプトがある。何だろう・・・って。圧倒的に女性の読者が多いとは思うのですが、女性の五感に語りかけるものがある。もう、本能と言っても良いような、ベースのところで。「語り部」調のリズムで、こちらの心にどんどん入って来る。心を捕らえられてしまう。はっきりと告白しますが、この「イルカ」も、何だか知らないうちにのめり込み、あっという間に読んでしまいました。説明不要ですね。
第135回 芥川賞受賞作。ネット生活が始まって、ほぼ20年。全てが、短いスパンで起こり、消えて行く。日本語も随分と変化した。表現方法も、コミュニケーションの仕方も変わった。そして、一番大事な自己表現というものも変わり、もちろん愛の表現も変わって来た。そういう多々ある日常の変化と、日本人の心の根底にある揺るぎないものとの共存。その接点にあるのが、この小説かなあ、と思う。なかなか、素敵だ。細切れにした日常を、とても丁寧に表現し、臨場感溢れるストーリーに。短いので、すぐ読めますよ!
ななんと!凄い感性。洒落た表現の対極にあるような、心の奥から絞り出すよう感じ。それでいて、軽やかなジョーク混じり。そして、残酷なんだけど、それが優しさ故だったりする。でも、やはり最後は「愛」なのだ。カッコなんて、つけている暇はない!テンポの良い文章に乗って、私こと中年読者も、大学時代に返って、学食を浮遊した模様。すっかり、本に入れ込んでしまいました。これが津村さんのデビュー作で、かつ太宰治賞受賞作。いやはや、余りのスゴさに、強烈なパンチを食らいました!
非常に趣向の凝った、お洒落な作品ですが、私の脳味噌では、計り知れぬ事が多過ぎて、厄介であった事も事実です。幻の本探しというテーマなのだが、4章からなるそれぞれのお話が、私の中で絡んで来ず、終始本に没頭出来ず。。。幻を彷徨いました!
大切な誰かのために心を込め祈る。その願いを叶えるため、自分の取られたくない体の一部をいろいろな方法で工作し、神様に捧げる風習。「サイガサマ」の祭りで、それが奉納される。そして時に、その奉納した工作で作った体の一部が、実際の体から、ひょこっと消えてしまう。そのため、雑賀(サイガ)町には、体の一部を失った人が時折いるという訳だ。密かに愛する人のために祈る。見返りを望まないどころか、自分の体の一部まで捧げてしまう。そして、その失った不自由な体を、淡々と受け入れる。人生の根幹に迫るようなテーマであるのだが、そこを「お隣り近所的」な物語と、親近感のある文体が、こちらの心にスーッと入ってくる。なかなか、素敵なお話しだと思いますよ!