Japanese Blog (日本語のブログ)

常設展示室  原田マハ 新潮社  2/17/20 July 31, 2020

いくつかの絵の周りに起こる人間模様を、重くならずに、真剣に書いている。いつも、ハッピーエンドばかりではないし、騙されることだってある。だけど、絵は嘘をつかない。国際的に活躍している女性もいれば、市役所の隅でひっそりと、業務に励む女性もいる。でも誰もが、自分の中の絵があって、その絵が心の故郷だ。帰っていける場所。私にはそういう絵はないけれど、音楽がある。

あと2日の7月場所  7月31日 July 31, 2020

なな、なんと白鵬の休場、そして、照ノ富士が朝乃山戦を制した13日目。今場所の行方が、更に混沌として来た。当初、朝乃山と照強の今日の一番は、不思議でしかなかったけれど、照強が照ノ富士と同門の伊勢ケ浜部屋の力士という事で、その真相が解明!相撲協会の計らいである。気の強い照強は、援護射撃で、普通の100倍も1000倍も、気を入れて行くに違いない。そして、昨日不戦勝で3敗を守った正代が、照ノ富士と。正代は、我々熟年スモジョに取って、もう目に入れても痛くない存在で、人が良いのか、気持ちが優しいのか、兎に角、気を持たせる存在である。頑張れ!今場所は、正代が鍵を握っていると言っても、過言ではない。そして、チャラ感を一掃した御嶽海が、心底強く、落ち着いた相撲を見せている。又、「元」がつく大関経験者、高安、栃ノ心、琴奨菊の頑張りも見逃せない。つまり、今場所は、近年相撲歴史の中でも、とても充実しているのです! 琴ノ若は、怪我から再出場で、今日は輝と。将来性大の力士なので、無理をせず、大事に後2日取ってもらいたい。大ファンの千代の国は、幕下優勝を前師匠の千代の富士(九重)の命日に、決めた。男気溢れる、千代の国らしい。涙を誘うインタビューであった。九重部屋は、全員師匠の命日に黙祷を捧げたということだが、千代大海(現九重親方)も、心意気がある。九重部屋の千代丸は今場所振るわず、十両陥落か。弟の千代鳳も、十両から中々幕内に戻って来れない。九重部屋の事になると、つい、熱くなってしまうのは、もちろん、千代の富士の大ファンであったから。今でも、心にいつもいる大力士です。 ベテラン妙義龍、玉鷲も、味を見せた取り組みで、両者とも9勝を上げている。小兵の炎鵬、石浦の調子が、イマイチ。兎にも角にも、今場所も2日を残すのみ。ロサンゼルスでの相撲中継が、夜中の12時から2時のため、日中体力温存作戦である。今夜も、ロサンゼルス相撲愛好会で契りを結ぶT子女史と、真夜中、お互いの家で、携帯片手に、熱い感想を交わしながら、相撲中継を楽しもう。(中日にも相撲ブログ書いたので、そちらも読んでね。私のホームページにあります。www.junkopiano.com)

充実の大相撲7月場所 7/25/20 July 25, 2020

毎日、はっきり言って、寝不足です。相撲中継が、ここロサンジェルスでは、夏時間の間は、夜中の12時から2時まで。しかし、熟年スモジョとしては、ライブで見ることに意義有り。ロサンジェルス相撲愛好会の、T子女史と、真夜中携帯片手に(我々の家は約80キロ離れています!)、ああだ・こうだとテキストの応酬。楽しく、時に居眠りしながら、相撲観戦しています。 今場所の充実を、誰が予想したか。コロナ禍の中での観客を入れての開催決定に、海を隔てた私は、大丈夫何だろうかと、老婆心ながら、深く心配していました。しかし、始まってしまえば、もう連日熱い戦いで、5月場所の無開催や、力士の稽古不足の報道などは、何処へやら。上位陣が順調に勝ち進み、幕内復帰の照ノ富士の活躍に、正代、妙義龍、御嶽海が加わり、連日、もう目が離せない!場所直前に引退した、味のある栃煌山には、もうちょっと相撲を取って欲しかった・・心から、現役時代の功労を労いたいと思います。又、佐渡ケ嶽部屋の躍進。現・佐渡ケ嶽親方の現役時代もよーく知っている相撲好きとしては、名門部屋を受け継ぎ、プレッシャーもあったと思うけど、素晴らしい弟子達を育てたと、大きな拍手を送っています。そして、我らの大ちゃん、こと高砂親方。こちらも、現役時代の朝潮を(漫画も含め!)よーく知っているゆえに、朝乃山の今は、親方の力無くしては、ならなかったと、深く思っています。こちらも、大拍手。特に、高砂親方は、横綱を育てた経験があるので、それが凄い強みですね。解説にも、「相撲」・「弟子」への愛が滲み出ており、大ちゃんの解説、私は大好きです。そして、元・大関の4人が幕内にいて、凄く頑張っているのは、他の力士達の発奮材料では?皆、怪我や故障を抱えながら、連日、本気の相撲です。8000キロ離れたロサンジェルスから、拍手送っていますよ!時に、真夜中一人、叫んでいます・・(笑) しかし、昨日の、阿炎関の軽はずみな行動は、錣山親方が、可哀想だった・・北の富士さんが、ご自身のコラムで「不肖の弟子ほど可愛いけれど・・」という事をおっしゃっていたけれど、それにしても、阿炎関は「不肖」が多すぎる!魅力のあるお相撲さんだけに、本当に残念です。明るくて、楽しいキャラを残して、何か行動する前に少し立ち止まって、考えて欲しいですね。 立浪部屋の明生。十両で頑張っているから、早く幕内に戻って欲しい。大ファンの千代の国も、大きな怪我の連続で今は幕下だけど、関取復帰まで、もうちょっと。そして、忘れないで欲しいのが、宇良関。度重なる怪我で一進一退だけど、あの爽やかな相撲が、又幕内で見たいです。頑張って!カド番の貴景勝。状態は良くないんだろうけど、意地を見せています。8勝まで、何とか持ち越して欲しい。 今日で、7月場所も折り返し地点。上位陣は、これから星の潰し合いが始まる。朝乃山は、3場所で3役通過。勢いに乗っているし、兎に角怪我をしないで、無事に階段を登りつめて欲しいです。26歳という丁度良い年齢で、連日、円熟味を増し、相撲にブレがない。大ファンです。  

出会いなおし  森絵都 文春文庫 7/18/20 July 18, 2020

新しい作家との出会い。毎日の中のほんのちょっとした瞬間の出来事から、物凄い物語を紡ぎ出す。特に、お惣菜の中の、カブと大根が間違っていた!という、些細というのも言い難いような事例が、ふかーーーいお話になっているんですよ。とんでもない、作家ですね。ムーミン・ママのストーリーも、これ又、デイープ。こう言ってくればわかるでしょうが、この本、短編集です。まず、素晴らしい想像力、そして、文章力。「テールライト」は、SF風という具合に、引き出しが多い。森さんの本、これからも読みます!

銀河鉄道の父  門井慶喜   講談社文庫 7/10/20 July 10, 2020

不思議な引き合わせかも・・原田マハさんの「たゆたえども沈まず」でのゴッホとの時間の後に、この本。ゴッホも宮沢賢治も、生前は全く売れなかった。だけどゴッホには最愛の弟テオが、宮沢賢治にはその生涯を大きな愛で見守り続けた父がいた。両者とも短命である。しかし、その短い生涯で全て語り尽くした感がある。賢治の父政次郎は、「父親像」に乗っ取って、厳格であろうする。だけど、その愛は無償で、もう手のつけようが無いくらい、真実だ。幾つになっても、どうしようもなく、可愛いのだ。そして心配でしょうが無い。これは、「たゆたえども沈まず」同様、フィクションである。しかし、その題材がとてつもなく魅力的で大きいので、それを自由に作家の中で膨らませることが出来る”小説”は、何と素晴らしい事か。日本人なら多分誰でも知っている宮沢賢治。しかし、父親を通して賢治を見、その家族に触れると、とても新鮮に、生き生きとしてくる。宮沢家の喧騒が、紙面を通じて伝わってくるようだ。涙なしには読めない、感動の一冊である。

動画・無料ピアノレッスン配信開始  July 6, 2020

ご存知のように、音楽の世界は全く持って先が見えず、コンサートにしても、大学にしても、皆が大きな不安を抱えています。その中、New Normalとして、毎週配信するオンラインの無料ピアノレッスンを始めました。様々なレベルのレッスン経験と、自分の演奏活動から学んだ実践的な練習方法を使って、ロサンジェルスの自宅から毎週1回、レッスンを行います。一曲を何回かのレッスンに分けて細部まで指導、曲を無理なく仕上げるようにします。一緒に楽しく、音楽的にピアノを練習しませんか?今後も様々な曲を取り上げて行きます。質問もお待ちしています! https://youtu.be/cD-JPq6SvUg

たゆたえども沈まず 原田マハ 幻冬社文庫 7/3/20 July 3, 2020

兎に角、「感動」の一言です。最後の何ページかは、もう大泣き。ゴッホの絵は、いろいろな美術館で見て来たけれど、こんなに近くに、「人」として、ゴッホを感じたことはありません。これは、史実を踏まえた上での、フィクション。最後に美術史家の先生が解説をお書きになっているが、余りに深く研究しているので、史実と違うフィクションを楽しめないという感想。私も、前回の平野啓一郎の「葬送」で、私の考えているショパンと余りに違うので、平常心で読めなかった。そういう意味で言えば、私は大まかなゴッホの伝記は知っているものの、思い入れは全くないので、大いに本の中に入っていけた。原田さんの念密な下調べと、想像力で、ゴッホと日本人の画商(実在の人物)林忠正が出会い、ゴッホの弟・テオと画商の弟子が友情を温め、そこに世紀末のパリの喧騒と華やかさが加わり、素晴らしい物語が誕生。携帯電話で、本文中に出てくる絵を見ながら読むと、更に心に響くし、臨場感が湧く。家に居ることも多いこの頃、長編のこの本で、一人ゴッホの絵と戯れて見るのも一計では?

Seneca Quotes セネカの格言 6/18/20 June 18, 2020

他人の罪は目の前にあり、自分の罪は背中にある。 Other men’s sins are before our eyes, and our own are behind our backs.   神に見られているかのように人間の中で暮らし、人間が聞いているかのように神に話しかけよ。 Live among men as if God beheld you; speak to God as if men were listening.   およそ惨めなものは、将来のことを不安に思って、不幸にならない前に不幸になっている心です。 不幸な人の共通の過ちは、わが身に幸せが訪れることを、決して信じたがらないことである。 True happiness is to enjoy the present, without anxious dependence upon the future, not to amuse ourselves with either […]

A Notebook (光塩女子学院・中学校卒業時の)- Full of Encouragement and Affection 6/3/2020 June 3, 2020

I have plenty of time now, and it is a good time to sort through my possession for the next step of my life. First, I  have been going through concert programs, photos, and schedule books to sort and to clean up. I filled a big trash bin before the trash collection last week! I […]

葬送 平野啓一郎 第一部 上下 第二部 上下 新潮文庫 May/2020 May 26, 2020

4冊ある事からも分かるように、これは大大長編だ。平野啓一郎に傾倒している私としては、是が非にも読みたい本であった。特に、ピアニストである私にも、大いに関係しているショパンと彼の恋人サンドが、中核を成すとあれば、尚更だ。という訳で、日本から本を取り寄せ、読み始めた。私もショパンについては、様々な本を読み、彼のピアノ曲のかなりの部分を演奏してきた。友人にショパンを専門にする有名な学者もおり、話し合ったこともある。ショパン像の余りの違いに、又、当時のパリのサロン界の見解の違いに、しばし本を中断。日本のお昼のメロドラマみたいに、ショパンの周囲の芸術家やパリのサロンの住人達が描かれているので、まずどのようなスタンスで本に近づいて行ったら良いのか、戸惑う事しきりだった。どうにか、これはショパンやドラクロア の名前を使った、日本の小説なんだ、と思い、読み進めた。分かり易く状況を説明するというのも、小説の大事な部分かとは思うが、それに度が過ぎると、こちらの空想の余地が全然なくなり、ちょっと呼吸困難状態になる。私は仲の良いフランス人の友人もいて、家族同様に付き合い、フランスに行けば彼女の家に泊まる。リオンで行われる音楽祭にも参加している。この小説には、「フランス」があんまり存在していない感じがするが、皆さんはどう思われますか。