Book Reviews (マイブック評)
プリンセス・トヨトミ 万城目学 文藝春秋
September 28, 2024
一度読んでみたいと思っていた、万城目学さんのご本。ついに手に取りました!彼の小説は、「ファンタジー」というカテゴリーに入るらしいのだけど、小説は一般的に「フィクション」な訳ですから、「ファンタジー」の捉え方が、イマイチはっきりしない私です。SFとも違い、やはり「日常的に起こり得ないことを題材にする」とでも解釈すれば良いのでしょうか。本とは関係のなさそうな問題点なのですが、私にとってここが重大ポイントなんです。
このお話しには、2点異なる設定があり、その一つが会計監査院という国が予算が正しく使われているかをAuditとする機関、そしてもう一つが大阪を舞台とする歴史ファンタジーとも言うべき浪速の人達とその心意気、である。登場人物とその描写、人間関係の葛藤などは、とても面白く読むのだか、何故かこの2つの設定が接近し、交わってくると、私には何故か面白さが半減してしまう。スーパー現実とスーパー非現実が、私の中で相容れないのかもしれません。想像力の欠如かもしれないし・・という訳で、こういう「ファンタジー」物、私は苦手な事が分かりました。でも万城目さんのご本にハマる人は多いと聞いているので、これは単に個人の問題かと。どうぞ、皆さんも手に取ってみて下さいね。食わず嫌いにならないように!