Book Reviews (マイブック評)

凪良ゆう 汝、星のごとく KODANSHA・滅びの前のシャングリア 中公文庫

June 27, 2024

本好きの私、常に本は読んでいるのですが、時間がなくて(言い訳!)、ここのところブック評書けていませんでした。今日、旅先で時間のご褒美があったので、何冊かまとめて書きます!

凪良ゆうさん、最近の私のお気に入りの作家です。何と言っても、ストーリー性が素晴らしい。心理描写が、私の心にずしんと来る。惚れ込んでいます・・「汝、星のごとく」は、2度目の本屋大賞に選ばれた作品です。話は二転三転と、時には全く予期しない方向に進みながら、その根底にある愛の豊かさを、真摯な目で語り続ける。何かに縛られがちな現代人、特にネット社会の横行で心が壊されることもしばしばあるこの時代に、自分の生き方を貫く強さ、自分を認める強さを教えてくれる本。愛の強さを教えてくれる。そして、たまらなく優しい。是非是非、読んで頂きたい作品です。「滅びの前のシャングリア」は、一ヶ月後に小惑星が衝突し、地球が滅びるという、想像もつかない話の設定で、度肝を抜かれます。限られた時間の中で、人間が本性を表し、暴行がはびこり、街が破壊され、今までの価値観がぼろぼろにされていく中、逆に美しさを増し、自信を付け、初めて愛に包まれる生活をする人々が生まれる。状況としては、嘔吐を催しそうになる場面も出てくるけれど、そこにひっかかってはいけません。この本でも、「愛」を語り続ける凪良さん。街がボロボロで、死体がゴロゴロしていても、「愛」です。深いですよ。益々、この作者が好きになりました。