Book Reviews (マイブック評)

きらきらひかる 江國香織 新潮社文庫

December 7, 2022

新婚カップルの話でーす!と言って、この本を想像する人は皆無だろう。笑子:新婦、睦月:新郎。2人の結婚を説明するのは難しいので、ちょちょっと省きます。「型にはまる」事の大好きな日本社会にあって、こういう形の夫婦が、是非現実にも存在して欲しい。でも2人だけで生きている訳ではないので、「ユニーク」さは、時には残酷に人を傷つける。故に、2人は「普通さ」も入れようとするが、それは2人をとことん打ちのめす。「自分らしくあること」「幸せになること」「人を愛すること」永遠のテーマだけど、この本はほんの少しだけ、この永遠のテーマにヒントをくれるような気がする。江國香織、好きな作家です。