Book Reviews (マイブック評)
見知らぬ妻へ 浅田次郎 光文社
April 10, 2022
大変美しい短編集。こういうお話しは、日本人にしか書けないと思う。「もっと、カッコ良く生きろよな!」とか、「損得考えて、物事判断しろ!」とか、常識的な観念は通用しない。大損と分かっていても、情念に生きる。そして、ドン底に落ちる。でも、とても人間らしい。涙を誘う。「どうして、そんな道、敢えて選ぶのよ〜・・」と、いくら本のこちら側から叫んでも、主人公達は知らん顔だ。そして、とても気高く、清いのだ。浅田次郎さんは、私の大好きな作家である。