Book Reviews (マイブック評)
小説イタリア・ルネッサンス 2「フィレンチェ」 塩野七生 新潮文庫
July 12, 2021
塩野七生さんのイタリアにまつわる歴史小説の存在は知っていたものの、中々チャンスがなく、今回初めて読む事に。すっかり、メデイチ家の虜になってしまった。幸いな事に、数年前イタリアに行った時に、フィレンチェも訪れていたので、想像の中でフィレンチェの市街をマルコ達と歩く事が出来た。ヴェッキオ橋(Ponte Vecchio)の喧騒も、花の聖母教会(Santa Maria del Flore)の美しさも、思い出しながら。歴史小説は、史実に基づいた小説、つまりある意味、本物の歴史より面白い訳だ。恋物語あり、殺戮あり、政治工作あり、権力争いありと、人間が生きていれば遭遇するであろう、様々なポイントが網羅されている。最初の数ページの、本著に関するカラー写真も大変良い。塩野さんのローマ人の物語(ハードカバーで全15巻!!)、一冊目から、少しづつ読んでいこうと思っている。インターネットの凄まじい世の中、脱ネットで、紙のページをめくりながら歴史に身を委ねるのは、最高のご褒美かもしれない。