Book Reviews (マイブック評)
もういちどベートーヴェン 中山七里 宝島文庫 12/2/20
December 2, 2020
新しい作家の発見!クラシック音楽ものの本だと、どうしても「うるさく」なってしまう私。だけど、この本は、とっても自然で、音楽とミステリーが見事に調和していて、楽しく読めました。そして告白すると、主人公、岬洋介の魅力に取り憑かれた私です。ピアノの天才、司法試験を一番で突破、超ハンサム、家柄良し!もう言う事なしですよね。作者の中山七里さんに興味が湧いて、検索したところ、ご自分では楽器を一切弾かれないそう。どうしてこんなに演奏家、ひいてはクラシック音楽の事に自然に入っていけるのかなあ・・ピアノの周囲で起こる、ちょっとした発想、行動が、違和感なくとても自然体です。きっと音楽家と沢山話しをして、もしかしたら、どんな暮らしをしているのかを、実体験したのかも。まあ、そういう「裏方」は、どうだって良いんですよね。お話の中に出て来るベートーヴェンの曲は、どれも私の演奏レパートリーに入っていて、作品30やワルトシュタインは最近演奏もしたんです。そうなると「意地悪」根性で、アラ探しをしたくなるのだけど(!)、曲の解説も素敵だと思いました。本当ですよ!他の作曲家の名前を冠した本も、是非是非読んでみたいと、今からワクワクしています。こういう形でクラシック音楽に興味を持ってもらえたら、最高ですよね。文中に出て来る曲を知らなければ(知っていても)、是非本を読みながら聴いてみて下さいね。読書の時間が一層深まる事、間違いなし!