Book Reviews (マイブック評)

火花 又吉直樹 文芸春秋社  11/18/15

November 18, 2015

まさに、大ヒット作。どうしても読んでみたかった。「僕」と先輩お笑い芸人の話で、今日本人なら知らない人はいない本だと思う。大尊敬する神谷さん(先輩芸人)と僕(徳永)の、とても刺激的で、かつ何だかせつなく悲しい物語。真実を追求することが、そして「自分」である事が、こんなにも苦しいことか。お笑いの世界を描きつつ、180度違う心模様なのだ。どんな世界でもそうなんだけど(音楽もね!)、側から見るのと、その世界の中心から見るのでは、全く見えるものが違うってことかな。文章で言うと、テンポが良い。表現がとびぬけている。エネルギーのアップダウンが最高。物語の最後にフォルテッシモ(音楽で使う用語で、大きな音量を指す)を持ってくるのも、とっても良いと思った。流石文学賞受賞作!