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野球のピッチング・コーチ 佐藤義則さんから学ぶ事   6/14/12

June 14, 2012

数ヶ月前、TVジャパンを見ていて、大発見!佐藤義則さんという元大投手で、現在日本一のピッチング・コーチのお話から、演奏家にとって、とても大事なことを学んだ。佐藤さんご自身も44歳まで現役で投げ続け、その後コーチになり、沢山の優秀なピッチャーを育てている。まず第一点。「コーチとして、一人一人の投手の、一番良い時のピッチングフォームを隅々まで焼き付け、覚えておくこと。」これは、音楽教師として、生徒達を指導する時にも、とても大事なことだ。難しいパッセージを綺麗に弾きこなせたときは、何がどう良かったのかを、きちんと分析する必要があるからだ。難しい箇所が弾けない時には、必ず理由がある。肩、腕、手首の位置や柔軟性、呼吸のタイミング、準備態勢(どうやってそのパッセージに入るか)、目はどちらの手を見るか、親指がきちんと動いて次のポジシォンに連れて行ってくれるか、もちろん基本的はテクニックがその曲を演奏するに達しているか、など、沢山の要因があるものだ。分析することは、生徒達が、運に任せ、ただ何となく弾いているのではなく、頭を使って100%に近い確立で弾きこなせるようにする訓練になる。第二点「まっすぐ戦う勇気を持つこと。」ピッチャーは(演奏家は)、マウンドで(ステージ上で)たった一人で戦わなければならない(たった一人で、演奏しなければならない)。ピッチャーは、格の上のバッターと当たると、萎縮して通常の力が出せないという。演奏家も全く同じだ。練習ではちゃんと弾けても、いざ本番となると、緊張で頭は真っ白、体はがちがち、指は氷のように冷たくなり、全く普段の自分とは違う状況に直面。準備したように演奏出来なくなる場合がある。佐藤さんは、投手達に、「練習は本気、試合は遊び気分でいけ」、とおっしゃる。これは、練習では120%弾けても、演奏会では80%にしか演奏できない場合を考え、まさにその通り!と思う。練習の中で本気で自分と向き合い、戦い、難しい箇所を克服し、本番のコンサートでは、勇気を持って、演奏を楽しむ。一流のスポーツ選手も演奏家も、運任せでは、出来ない仕事なのだ。佐藤コーチ、素晴らしいお話しありがとうございます。