家族の歴史を、紐解く 5/19/10
May 19, 2010
今週末に計画されているキルトの展示会に、主人の祖母、アナおばあちゃんが作ったキルトを出そうと思っています。このキルトは、アナおばあちゃんが、19人いる全ての孫に作ったものの一つです。ひょんな事から、一度も会った事のないこのアナおばあちゃんについて、このキルトを通じて、知る事になりました。実は主人の母が、家族史の勉強をするのを生き甲斐にしていて、その勉強をまとめた膨大な資料を、数年前に子供それぞれに配ったんです。アメリカにはGenealogyという学問があり、これは直続の家族だけでなく、何代にもわたって枝分かれした家族を克明に調べるものです。この資料をみると、アナおばあちゃんは、1886年生まれで、1982年に96年の長い生涯を閉じました。インデアナ州の農場で生まれ、結婚後は5人の子供と19人の孫に恵まれ、幸せな人生。まさに何でもやったみたいです。家族の洋服を作り、家の中で使うカーペットを織ったり、出来た作物で缶詰を作り、家畜から肉を作り、穀物の精製、ジャム作り、とにかく家族の暮らしを支え、ご近所の皆さんの世話をし、亡くなる直前まで大忙しだったようです。特に、キルト作りは、凄い腕前だったようですよ。私もちょっとだけキルトを齧っているので分かりますが、キルト製作はとんでもない時間が掛かります。我が家のベッドカバーも、きれいな手縫いで、色使いも素敵で、私の大のお気に入りです。それを19人いる孫すべてに作り、それを入れて生涯で110枚のキルトを縫い上げたというんですから、想像を超えます。亡くなる直前の96歳の時にも、ご近所で火事にあった一家があり、何か助けたくて、洋服やキルトなどを作って送ったようです。その毎日の暮らしぶりを想像すると、とても充実していて、何だか暖かい日差しに触れる感じがします。きっとちょっと小太りで、元気一杯、大声でおしゃべり好きで、いつも手を動かしていろ様が、思い浮かびます。こんなアナおばあちゃんの自分史を、キルトと一緒に展示しようと思っています。その隣には、私のとても稚拙なキルトも一緒に展示。アナおばあちゃんは、自分の通っていた教会で、オルガンやピアノも弾いていたようです。何だか、不思議なご縁、と思いませんか。